御蔵島ドルフィンスイムフォトツアー2017レポート ~一歩踏み込んだイルカ撮影のコツとは?~

この記事は10分で読めます


 

こんにちは、上出です。

 

珍しく、東京で記事を書いています。

 

金木犀の香りが、郷愁を誘いますね。

 

 

今日は、

御蔵島ドルフィンスイムフォトツアー2017

の参加者の方々からお借りしたお写真を紹介しながら、

 

・イルカ撮影に適したカメラやレンズ

・可愛いイルカの写真を撮るためのコツ

 

について紹介していきます。

 

今回僕が撮影した写真も、

記事の後半で出し惜しみなく紹介していますので

是非見てみて下さい。

 

 

では、最初にちょっと、

今回のツアー開催の経緯や経過などを。

 

まず、元々の予定では、

僕自身は9/30~10/7まで御蔵島に滞在する予定だったのですが、

海況悪化のため10/3に御蔵島を出る事になってしまいました。

 

なので、

当初の予定よりだいぶ短いツアーとなってしまい、

ご参加いただく予定だった15名中5名の方としか

お会いすることができませんでした。

 

 

もちろん、

ご参加いただけなかった方にとっては

本当に残念だと思いますし、

(来年必ずお声がけします。)

 

東京に戻ってから友人や知人に会うと

「赤字になっちゃったんじゃないの?」

と皆心配してくれますが、

 

僕にとってこのツアーが失敗だったのか?

 

と言えば、全くそうではありません。

 

 

そもそも、

 

なぜ今回御蔵島のツアーを企画したのか

 

についてはちゃんと書いたことがありませんでしたが、

きっかけは5年ほど前にさかのぼります。

 

 

当時僕は横浜でサラリーマンとして働きながら、

週末は近所のダイビングショップで

インストラクターとしてお手伝いをしていました。

 

そのショップの企画で、

三宅島ダイビング&ドルフィンスイムツアー

にスタッフとして同行したんですね。

 

僕が任された仕事は、

 

お母さんと小学生のお子さん×2組

 

のドルフィンスイムガイドでした。

 

 

この時は三宅島滞在だったので、

御蔵島まで1時間ほどかけてドルフィンスイムに向かいました。

 

海況もお天気も悪くなかったのですが、

そもそも海に慣れていない小学生2人にとっては

ワクワクよりも怖さの方が大きかったようで、

 

船が御蔵島が近づくにつれ

どんどんテンションが下がっていきます…笑

 

とは言っても、

イルカを見ずに帰るわけにはいきません。

 

 

お母さんと一緒に説得して、

何とか一緒に海に入りました。

 

怖がっている子供たちには

スノーケリング用のフロートに捕まってもらい、

みんなで一生懸命イルカの群れを追いかけました。

 

(D750 + AF-S NIKKOR 14-24mm f11 SS1/250秒 ISO1100)

 

楽しんでくれてるかな…

とちょっと不安だったのですが、

 

パッと水面から上げられた小学生二人の顔が、

満面の笑みに変わっていたんですよね。

 

「すごい!イルカ!おっきい!」

 

と二人で叫んでいました。

 

帰りの船の上でも、

夜みんなでBBQをしてる時も、

ずーっとイルカの話をしていました。

 

 

それがなんだか、

とっても嬉しかったんです。

 

海や野生の生き物に興味を持つきっかけに

なってくれれば良いなと思いました。

 

当時は水中写真家やダイビングインストラクターとして

生きていこうという気持ちは無かったのですが、

 

いつか自分で御蔵島のツアーだけは企画しよう

 

と思ったのが、

今回のツアー開催に至る元々の動機です。

 

 

なので、結果的に参加できたのが

15名中5名だけだったとしても、

 

その1人1人にとって、

何かしらの明るいきっかけを与えることができたのなら、

僕にとってこのツアーは成功です。

 

 

「もっとイルカを可愛く撮りたい」

 

という気持ちが、

 

水中写真についてもっと学んでみよう

 

という動機になれば嬉しいですし、

 

スキンダイビングというスクーバとは違った海の楽しみ方

 

を知るきっかけにもなったんじゃないかなと思います。

 

(D750 + AF-S NIKKOR 14-24mm f11 SS1/320秒 ISO900)

 

 

さて、せっかく今回のツアーでは、

皆さんに色々なカメラを使って

イルカの撮影をしていただきましたので、

 

このカメラやレンズだとこんなイルカの写真が撮れるよ

 

というイメージを掴んでいただくために、

それぞれのお写真を紹介しようと思います。

(僕の撮影した写真は最後に紹介します。)

 

もちろん、

みなさん水中撮影や素潜りの経験はバラバラですので、

あくまでイメージですが、

 

これから水中用デジカメの購入を考えている方

 

 

一眼レフにどのレンズを装着して

水中ワイド撮影に臨むべきか悩んでいる方

 

の参考になればと思います。

 

 

 

■Nikon COOLPIX AW130

 

 

スノーケリングも水中撮影もほぼ未経験というまゆみさんには、

Nikonの30m防水コンデジをお貸ししました。

 

元々のご希望が「記念に記録に残したい」ということでしたので、

その意味では満足のいくお写真が撮れたのではないかと思います。

 

別の記事でもレビューをしていますが、

カメラとしては悪くないですし、

水中での使い勝手もまあまあです。

 

(参照:ニコン「COOLPIX AW130」はダイビング用コンデジの第一選択になり得るのか?)

 

 

ただ、イルカを撮ろうと思うと、ちょっと苦戦します。

 

イルカ撮影では、

シャッタースピード(SS)を250秒よりも早くしないと

ブレブレ写真が量産されることになるのですが、

 

(参照:一眼のオート機能は水中で使えるのか~イルカ撮影のキモはISO感度設定~)

 

AW130の水中モードを使うと、

よっぽど条件が良い場合でないと

SSが1/250秒より遅くなります。

 

なので今回は、オートモードを使って、

ISO800に固定しSSが1/250秒よりも

早くなるような設定で撮影してもらいました。

(水中モードだとISOを自分で決められません。)

 

結果的にはブレのない写真が撮れたのですが、

水中用のホワイトバランスにはなっていないので、

どうしてもちょっと緑よりにかぶった写真になりがちです。

 

そういう意味では、やはり後述の

オリンパスTGシリーズの方が使い勝手が良いなと感じました。

 

 

 

■OLYMPUS TG-4

 

 

ダイビングを始めて1年、

スキンダイビングの経験はないという川崎さんは、

ご自身のTG-4を使って水面から撮影されていました。

 

「青」の発色に関しては好き嫌いが別れるようですが、

手前のイルカの肌の色なんかとってもリアルに描写されています。

 

こういう抜けの良い写真を見ると、

やっぱりオリンパスの水中ワイドは優秀だな

と思いますよね。

 

「水中ワイド2」に設定するだけで

このクオリティの写真が撮れるというのは、

かなりの価値があるように感じます。

 

ちなみに、黒潮が御蔵島に当たっていたので、

海は本当に綺麗な深い青でしたよ。

 

 

川崎さんのお写真を見ているとわかりやすいのですが、

素潜りができなくても、イルカは近くに来てくれますし、

綺麗な写真も撮れます。

 

ただ、どうしても

イルカを見下ろした写真になってしまうので、

イルカの表情や可愛さは表現しづらいです。

 

「来年までにスキンダイビング練習しておきます!」

 

とおっしゃっていたので、次回がさらに楽しみですね。

 

川崎さんのInstagramはこちら↓

https://www.instagram.com/kawasaki_maichi/

 

 

 

 

こちらは、ダイビングはベテラン?

ドルフィンスイムは初めてのゆきさんが

ご自身のTG-4で撮られたお写真です。

 

ゆきさんは一生懸命、

素潜りでのイルカ撮影にチャレンジされていましたが、

中々耳抜きができずに苦戦したようです。

 

それでも、やはりちょっとでも潜れば、

イルカの表情をとらえやすくなりますよね。

 

 

実際には、2~3mくらい潜れれば、

撮影の幅はかなり広がりますし、

僕もそれくらいの水深で撮影していることが多いです。

 

なので、ゆきさんにもお伝えしたのですが、

あんまり無理して深く潜ろうとする必要はありません。

 

無理をして耳を傷めてしまうと、

今後のダイビング人生にも影響してしまいます。

 

 

・頭を下にして潜っていくスキンダイビングでは、

スクーバダイビングに比べて耳抜きがしにくい

 

・耳が抜けていなくても、

イルカに興奮してついつい潜っていってしまいがち

 

という理由から、ドルフィンスイムで

耳を傷めてしまう方も少なくないです。

 

無理は禁物ですね。

 

余裕を持ってイルカと泳ぐには、

事前にスキンダイビングの練習会等に参加して、

5mくらいまで潜れるようになっておくとベターです。

 

 

 

■Nikon D7000 + Tokina AT-X107 fisheye 10-17mm

 

 

可愛いですね。

プロ顔負けです。

 

撮影者のかなこさんは、

陸上ではフルサイズ一眼レフで風景などを撮影されていますが、

水中で一眼レフを使用するのは初めてとのこと。

 

※かなこさんのInstagramはこちら↓

https://www.instagram.com/kanasan_/

 

 

NikonのAPS-C機とフィッシュアイズームをお貸ししました。

 

設定も僕の方でさせていただき、

マニュアルモードで

 

・SS 1/320秒

・f11

・ISO オート

 

に固定しました。

 

被写体ブレを起こさず、

十分な解像感もえられて、

ISO感度も許容範囲内におさまる、

ギリギリの設定にしたつもりです。

 

RAWで撮影して、

編集・現像はかなこさんにお任せしました。

 

 

かなこさんは、

普段からスキンダイビングを趣味として楽しんでいるようで、

イルカを追いかけて水中を縦横無尽に駆け抜けていました。笑

 

イルカの下に入って目線を合わせられるようになると、

こんな可愛い写真も撮れるようになります。

 

 

そして、かなこさんのお写真を見ていると、

至近距離でイルカの表情を捉えるようなケースでは、

僕がメインで使っている超広角ズーム(14-24mm)よりも

フィッシュアイレンズの方がやっぱり良いなと感じました。

 

陸上では、

フィッシュアイレンズの方が超広角レンズに比べて

デフォルメの効果が大きく印象的に写りますが、

水中ではフィッシュアイの方が自然な画になります。

 

しかも、レンズ面ギリギリまでピントが合いますし、

ポートとの相性も良いので画面全体がカリッと描写できます。

 

 

一方超広角レンズは、四隅が大きく写るので、

イルカの撮影では特に不自然な画になりがちですし、

至近距離で体全体をまるっと画面に収めるのが難しいです。

 

しかも、ポートとの相性もシビアなので、

四隅が少し流れたような描写になりがちです。

 

ですので、イルカ撮影の第一選択は、

フィッシュアイレンズと言って良いと思います。

 

 

以前その話もちらっと触れていますので、

もしご興味があればこちらをご覧ください↓

参照:ニコンのフルサイズで水中ワイドを撮る ~AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED~

 

※記事を書いた当時は

AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mmが

まだ発売されていませんでしたので、

今とは事情が少し異なります…

 

Nikonフルサイズ機で水中ワイド撮影に臨むなら、

今後はこちらのフィッシュアイが第一選択になるでしょう。

 

 

 

■Nikon D750 + AF-S NIKKOR 14-24mm

 

(D750 + AF-S NIKKOR 14-24mm f10 SS1/250秒 ISO800)

 

 

なんだか、

自分でトリを演出してるみたいで、

嫌な感じですね。笑

 

 

やっぱり、

イルカの撮影で一番大事なことは

 

進行方向に先回りして待つ

 

ということです。

 

 

特に、水面ではなく水中で待っていると、

イルカたちがスーッと寄ってきてくれることが多いです。

 

(D750 + AF-S NIKKOR 14-24mm f11 SS1/320秒 ISO900)

 

 

イルカの群れを撮る時も、

先に回り込んで待って撮影すると、

躍動感のある写真になることが多いですよね。

 

(D750 + AF-S NIKKOR 14-24mm f11 SS1/320秒 ISO450)

 

この写真はおそらく、

フィッシュアイレンズでは撮れないと思います。

 

逆を言えば、こういう写真を撮りたいから

僕はこのレンズを使っているのかもしれません。

 

水底や水面がまるく写るのが、

個人的にあまり好きではないというのもあります。

 

 

 

さて、

群れの進行方向に先回りするために重要な事

とは何でしょうか?

 

 

答えはだいたいここに書きましたね↓笑

参照:ドルフィンスイムを始めよう! ~可愛いイルカの水中写真を撮るコツ~

 

 

・イルカの動きをよく観察すること

・ガイドさんの動きを常に見ていること

 

もちろん、これはとても重要です。

でも、これだけでは先回りできません。

 

今日はもう一歩踏み込みましょう。

 

 

そうです。

 

穏やかとは言えない水面を泳ぎ続ける体力

 

が必要なんですね。

 

 

普段マクロを撮ることが多い僕が、

本気で水面移動や素潜りをするのは

年に一度の御蔵島だけです。

 

しかし、当然それでは

素潜りの技術も体力も十分には養えません。

 

結果的には、撮影チャンスを逃してしまいます。

 

 

特に今年は、

 

去年御蔵島で水中写真家の越智さんに

水面で全くついていけなかった

 

という苦い思い出がありましたので、

事前にこっそり練習してから行きました。

 

 

水面をひたすらダッシュで泳ぐ

高速ジャックナイフで5mくらい潜降して、

イルカが近づいてくるのを待つ(ふり)

浮上したらすぐに水面をダッシュ

 

という、何かに取り憑かれたような行動を、

観光客がたくさんいるゴリラチョップで

繰り返し練習していました。笑

 

 

その甲斐あってか、こんな写真も撮れました。

 

(D750 + AF-S NIKKOR 14-24mm f11 SS1/320秒 ISO2000)

 

セオリーとは違うかもしれませんが、

この時は水底付近を泳ぐイルカの群れを

水面で観察しながらずーっと追いかけて、

2頭が呼吸しに水面に上がってくるタイミングで

急いで潜降して撮影しました。

 

泳いでいるうちに濁っている海域を抜けて、

ちょうど真っ青なところで浮上して来てくれたので、

なんだかとっても嬉しかったです。

 

 

先にも書きましたが、

今回のツアー中は御蔵島が黒潮の通り道になっていて

総じて透明度が良かったんですよね。

 

ただ、場所によっては白っぽく濁っているところもありました。

 

そんな場所では、

 

よりイルカに近づかないと解像感のある写真が撮れないし、

イルカがどこからやってくるのかギリギリまで見えないので

 

撮影は難しいのですが、

こんな状況だから撮れる写真もあります。

 

濁っている分、ふわっとやわらかい描写になりました。

 

(D750 + AF-S NIKKOR 14-24mm f11 SS1/320秒 ISO1400)

 

 

それから、

スキンダイビングが上手な人を一緒に入れてあげると、

動きのある作品に仕上げることもできます。

 

特に、明るめの色の

スーツやフィンの方が写真映えしますよ。

 

イルカと一緒に泳いでいるところを綺麗に撮って欲しい!

 

という方は、参考にしてみて下さい。

 

(D750 + AF-S NIKKOR 14-24mm f11 SS1/320秒 ISO800)

 

 

 

それでは、2017年の御蔵島ツアーレポートは以上になります。

 

来年も絶対、御蔵島ドルフィンスイムフォトツアーは開催します。

5月か6月には第一弾でいけたら良いな。

 

今日もここまで読んで下さりありがとうございました。

少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。

 

ブログランキングに登録してます。
記事が参考になりましたら、応援クリックをいただけると嬉しいです!
(下のバナーを1回ずつクリックしてください↓)

 

にほんブログ村 写真ブログ 水中写真へ

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

    • ゆき
    • 2017年 10月8日

    今回はいろいろありがとうございました。
    ツアーに参加できて本当によかったと思っています。

    初めての御蔵島で初めてのドルフィンスイム、上出さんのブログを通して参加なさった方々と旅をする。
    私にとってどれも刺激的なものでした。

    イルカの写真撮影は難しく考えずとにかくシャッターを押し続けていただけなので、次回は上出さんのアドバイスを参考にした撮影にチャレンジしたいと思います。

      • 上出 俊作
      • 2017年 10月8日

      こんにちは。

      嬉しいお言葉ありがとうございます。
      ゆきさんにとって、刺激的な旅になったようで何よりです(^^)

      ツアー中は、色々とお気遣いいただきとても助かりました。

      なかなか「氷を下さい」と言い出せない僕に代わって、
      宿のお母さんから氷をもらってきてくれたおかげで、
      美味しいハイボールが飲めました。笑

      最初は、思うまま感じるままにシャッターを切れば良いと思いますよ。
      これを機に、水中写真ももっと深堀して楽しんでいきましょう!

  1. この記事へのトラックバックはありません。

管理人 ; 上出 俊作 (水中写真家)

沖縄本島を拠点に活動している水中写真家です。

これまで、写真集の出版や写真展の開催などを通して、海の魅力を伝えるべく水中写真家として活動してきました。

撮影スタイルという程でもないですが「日常を切り取る」という事が僕にとっての大事なテーマです。

珍しい生き物を追いかけ回したりせず、水中の生き物たちとかくれんぼやにらめっこをして遊びながら、のんびりと撮影しています。

「水中写真を通して共に成長し合える仲間と出会い、一緒に豊かな人生を歩んで行きたい。」

そんな思いから生まれたのが、このブログです。

自分と真剣に向き合う事の大切さを教えてくれた水中写真に、日々感謝しています。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

ブログランキング

いつも応援ありがとうございます!
ブログランキングに参加しています。

記事が参考になった、面白かったと思って頂けたようでしたら、応援クリックをいただけると嬉しいです。

よろしくお願いいたします!

にほんブログ村 写真ブログ 水中写真へ

免責事項

本サイトの情報は、水中写真撮影の参考としてダイビングや水中写真に関する情報提供を目的としています。

本サイトの情報について正確性や完全性を保証するものではありません。

本サイトの利用によって生じたいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いません。