こんにちは、上出です。
今日は、
「水中写真を撮るのに最適なミラーレス一眼」
について紹介します。
以前別の記事で、
これからミラーレス一眼を使って水中撮影に取り組もうという方には、
オリンパスのミラーレス一眼+オリンパス純正ハウジングがお勧めですよ、
(参照:ダイビングで使うべきミラーレス一眼 ~なぜ多くのダイバーがオリンパスを選ぶのか~)
というお話をさせて頂きましたが、
具体的な機種については触れていませんでした。
ですので今回は、
実際にどんなカメラとレンズを選べばいいのか
について解説していこうと思います。
ちなみに、
「写真の出来を左右するのはカメラではなくレンズですよ!」
という事を、僕は色々なところでお話ししてきました。
(参照:カメラ選びよりレンズ選びが重要? ~一眼でプロ顔負けの水中写真を撮るための考え方~)
そして単刀直入に言えば、
オリンパスのミラーレス一眼用レンズで
本格的な水中写真が撮れるのはこの2種類だけです。
①水中マクロ用:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
②水中ワイド用:M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
しかし、どのカメラとハウジングを選んでも
この2種類のレンズを使えるというわけではありません。
その点を踏まえて、ここからは具体的にどの機種を選ぶべきかについて解説していきますね。
オリンパスは物凄い種類のミラーレス一眼カメラを販売していますが、
大きく分けると
・OM-Dシリーズ(上位機種)
・PENシリーズ(下位機種)
※純正ハウジングがあるのはその中のE-PLシリーズ
の2種類に分類することができます。
当然OM-Dシリーズの方が多機能で高価格なのですが、
どちらのシリーズも画質はあまり変わりません。
メーカーのHPを見るとOM-Dシリーズの方が
素敵な写真が撮れそうな気がしてしまいますが、
おそらくE-PLシリーズで撮った写真と比べても
その差は普通の人にはわからないはずです。
少なくとも僕にはわかりません。笑
では、ここからは各シリーズの特徴を、
細かいシステムの話は抜きにして、
結果的にどんな写真が撮れるのかに的を絞って見ていきます。
◆E-PLシリーズ
最大のメリットは、価格の安さです。
逆を言えば、これがOM-Dシリーズと比べた時の
唯一のメリットです。笑
そしてこのE-PLシリーズ、
年に一度以上のペースでモデルチェンジが繰り返され、
カメラ自体の性能はほとんど変わらないのに
それに合わせて登場するハウジングの機能、
というかコンセプトが結構変わります…
少しややこしい話になるのでここでは結果だけお伝えしますが、
E-PL5 or E-PL6 + PT-EP10 (ハウジング)
の組み合わせがお勧めです。
(E-PL5とE-PL6は同じハウジングに入ります。)
ただ、どちらのカメラもすでに生産終了しているため、
中古も視野に入れて探した方が良いかもしれません。
これなら先程紹介した
水中マクロ用:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
を使用することができます。
そしてこのレンズを適切に使えば、
水中マクロ写真が一眼のクオリティで撮れます。
(小さい生き物を背景をぼかして撮ったりできます。)
E-PL6 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
ただし、E-PLシリーズでは
水中ワイド用:M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
を使用することができません。
(メーカーに依頼して使えるように改造してもらう
という方法もあるのですが、値段が高くて現実的ではないです。)
つまり、
E-PLシリーズでは本格的な水中ワイド撮影ができない
ということになります。
ですので、水中ワイド写真を撮りたい時には
M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R
という、カメラ本体を買ったときについてきた
キットレンズで代用するのが現実的な選択肢です。
(ボディだけで購入した場合にはついてきません。)
E-PL3 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R
こんな感じで、水中景観を撮ることはできなくはないです。
しかし、イルカやマンタなど大型の生物に
近づいて撮影するには画角が狭すぎるため、
近づいて体の一部を切り取るか、
離れてぼんやりとした写真を撮るか
どちらかしかできません。
E-PL3 + M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R
なので、E-PLシリーズに関しては、
・マクロレンズを使い、小さい生物を一眼クオリティで撮影する
・キットレンズを使い、水中ワイドはスナップ的に撮ってお茶を濁す
というのが現実的な使い方になるかと思います。
◆OM-Dシリーズ
何よりのメリットは
水中マクロ用:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
水中ワイド用:M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
のどちらのレンズも使えるという点です。
水中マクロに関しては、E-PLシリーズで撮った場合
とあまり変わらないのでここでは触れません。
やはりこのシリーズを選ぶメリットは水中ワイドにあります。
ちなみにOM-Dシリーズの中でも
この2種類のレンズがどちらも使えるハウジングは限られていて、
・E-M1 + PT-EP11
・E-M1 Mark II + PT-EP14
・E-M5 + PT-EP08
と、2016年12月現在では上記の3種類ですね。
※E-M5 Mark IIは水中ワイド用の
M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
が使えないためお勧めしません。
で、僕はこの3種類の中ならどれを選んでも
良いんじゃないかなと思っています。笑
実際撮れる写真はどれもほとんど変わらないはずです。
ただ、
3種類のうちのどのカメラ+ハウジングを選んでも、
・PPO-EP02
という別売りのレンズポートを購入する必要があります。
このPPO-EP02で水中マクロ用と水中ワイド用
どちらのレンズも使えるので便利なのですが、
このレンズポートだけで10万円くらいします。
そして、
水中ワイド用:M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
このレンズも10万円くらいします。
つまり、OM-Dシリーズで本格的な水中ワイド撮影に取り組もうとすると、
E-PLシリーズで
本格的な水中マクロ撮影+なんちゃって水中ワイド撮影
をするのに比べて、
追加で20万円以上かかってしまうのです。
「それでもミラーレス一眼で本格的な水中ワイド写真を撮りたい!」
という方にはもちろんお勧めですし、
実際にOM-Dシリーズで水中ワイド撮影に挑戦し始めた方もいます。
(初めての水中ワイド撮影がモルディブだなんて羨ましい限りです。笑)
ここまでお話してきました通り、
OM-Dシリーズはしっかりお金をかけてシステムを揃えれば、
水中マクロも水中ワイドも本格的な撮影が可能です。
しかし、そこまで投資しようとした人の多くが
「あれ?これだったらミラーレス一眼じゃなくて
一眼レフで全部揃えられるんじゃない?」
というジレンマに陥ります…
まぁそのお話はまたどこかでしましょう。笑
ここで今日の内容をまとめますと、
・本格的な水中ワイドを捨てて、
水中マクロメインで安く始めるならE-PL5かE-PL6
・水中マクロと水中ワイドどちらも
本気で取り組む気があるならOM-Dシリーズ
というお話をしてきました。
少しでも皆さんの参考になれば嬉しく思います。
今日もここまで読んでくださりありがとうございました!
(更新:2016.10.25)
p.s.
高田さん、津田さん、
作例写真を提供していただきありがとうございました!
お二人ともミラーレス一眼デビューから半年以内で
これだけの水中写真が撮れるなんてすごいです…
益々の活躍を期待しています!
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