ピントは気合いで合わせる? ~Nikon D850で水中マクロに挑戦!~

 

こんにちは、上出です。

いきなりですが、

水中マクロ写真を撮る上で
一番大切な要素とは何でしょうか?

 

大きな枠での「写真」で一番大事なモノはわからないし、
人それぞれだと思います。

「構図」かもしれないし「色」かもしれない。

あるいは「魂」かもしれませんね。

もちろん答えなんてありません。

 

でも、

水中マクロに限って言えば、
一番大事なのは「ピント」なんじゃないか…

先日開催したプライベートフォトセミナーを通して、
そう再認識しました。

 

今回に限らず、
フォトセミナーの参加者の方から
よく言われる事があります。

 

「プロの方ってここまでピントにシビアなんですね!」

 

確かに、僕は特にピントにシビアだと思います。

特にマクロでフンワリ撮る時には、

ピントがビシッと合っている一か所で
写真をしめないといけない

と思っています。

 

そうは言っても、
僕もピント合わせに苦労することは日常茶飯事ですし、

ピントが完璧に合っている写真は10枚に1枚

ということも珍しくありません。

だからそれを前提に時間をかけてたくさん撮ります。

地蔵のように固まり、粘ります。

 


(D750 + AF-S Micro-Nikkor 105mm Z-240×2灯 f5.6 SS1/60秒 ISO200)

 

 

今回のフォトセミナー最終日には、
打ち上げ会場の居酒屋さんでこんな一コマがありました。

 

参加者Yさん
「一眼レフのピント合わせって難しいですね…
上出さんはどうやってピントを合わせているんですか?」


「カメラとレンズを使いこんで体の一部にするしかないですが…
最終的には、僕は気合でピントを合わせていますね。」

 

初日から積極的にメモを取っていたYさん。
ここでもメモ帳を取り出そうとします。

慌てて

「気合いの部分はメモしなくて良いです!笑」

とお伝えしました…
ちょっと恥ずかしかったので。

まあでも記事のタイトルにしているくらいですから、
メモしてもらっても良かったのかもしれませんね。笑

 

気合というのは人によって
受け取り方は様々だと思いますが、

僕にとっては
「ピントが合うまでこの被写体と向き合うんだ」
という覚悟です。

そして、
ファインダー越しに見ている世界に
100%入り込む集中力です。

別に、体育会系の話じゃありません。

 

ファインダーの中に集中してしまう
というのはダイビングの安全管理としては
良いことではないかもしれませんが、
作品づくりってそういうものだと思っています。

いわゆるフロー状態と言うのでしょうか?

そういう意味でのリスクマネジメントとして、
ガイドさんに見ていてもらったり、
バディで管理し合うことが本来重要なんですよね。

 


(D750 + AF-S Micro-Nikkor 105mm Z-240×2灯 f11 SS1/50秒 ISO200)

 

 

さて、今回はKさんとYさんのお二人で、
プライベートフォトセミナーにお越しいただきました。

なんと、お二人ともカメラはD850です。

そして、

レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G
ハウジング:ノーティカム NA D850
ストロボ:INON D-2000 2灯
クローズアップレンズ:SMC-1

という、これでもかという装備です。笑

 

以下、Kさんからいただいたコメントなのですが、
物凄くご丁寧に書いて下さったので、
僕がごちゃごちゃ説明するのはやめます。

Kさん、心のこもったメッセージと、
素敵なお写真ありがとうございました!

 

4日間の上出さんのフォトセミナーは、

すべてが学びとなり、すべてが楽しかったです!!!

 

約20年前にCカードを取得し、

ダイビングと水中写真の楽しさを知って、

30~40本くらいの頃に、

一眼レフのEOS KISSで、

ワイドとマクロを撮り始めました。

 

そしてだんだんと、生物が好きになり、

マクロに関心が向いていきました。

 

しかし今思えば、自己流で、

なんとなく撮っていただけでした。

 

10年くらい経った頃、仕事も忙しくなり、

だんだんとダイビングから遠ざかっていました。

 

そして約1年前に、

周囲にCカードを取りたいという人がいたことで、

もう一度ダイビングと水中写真を始めようと思いました。

 

最初の1年は、ブランクを取り戻すために、

できるだけ1か月に10本くらい潜るようにして、

カメラはクールピクスから始めました。

 

30m防水なので、通常はハウジングも必要なく、

流れがある所にも持っていくことができ、

マクロの性能もかなり良いと思いました。

 

しかし小さな生物を撮るためには物足りないので、次に、

TG4+ハウジング+リングライトの仕様としました。

 

TG4(現在は5)の顕微鏡モードの性能はかなり素晴らしく、

リングライトはムラなくライトが当たり、

サンゴの中にいるハゼなどもかなり良く撮ることができます。

 

しばらくTG4で練習をし、

かなりブランクを取り戻すことができました。

 

しかし、ISOと絞りしか変えることができませんし、

 

背景を綺麗にボカしたい、、、

ピントをシャープに合わせたい、、、

 

と、やはりだんだん欲が出てきます。

 

ゆえに、

 

いよいよ一眼カメラへの移行をしよう

 

と思いました!!!

 

その頃ちょうど、

水中写真についていろいろと調べている時に、

上出さんのブログに出会いました。

 

そしてフォトセミナーを開催されていることを知りました。

 

上出さんの、とても美しい色彩と

透明感の写真にとても惹かれていましたし、

 

マンツーマンで指導していただける

フォトセミナーは他にないと思いましたので、

 

友人とフォトセミナーの申し込みをし、

一眼カメラの購入についてもいろいろと相談に乗っていただきました。

 

その結果、

「背景を綺麗にボカしたい」

「ピントをシャープに合わせたい」

という目的からすると、

 

やはり中途半端な一眼カメラだと後悔するのでは・・・

 

ということで、

多分に分不相応(ネコに小判、ブタに真珠!)なのですが、

最新のニコンD850を購入することとなりました!

 

レンズは、105mm、F2.8を購入しました。

ハウジングを含め、すべての機材が揃ったのが、

フォトセミナーのギリギリでしたので、

ほとんどぶっつけ本番でセミナーに参加することとなりました!

 

結論から言うと、冒頭に書きましたように、

すべてが素晴らしい学びであり、すべてが楽しい!!!

 

それらが莫大で、とても表現できないくらいでした!!!

 

できるだけじっくりと学びたいことから、

日程を4日間にしていただきました。

 

最初の2日間はビーチ、3日目はボート、最終日はビーチでした。

 

まず、本島北部の海と自然の素晴らしさ、美しさに感動しました!!!

 

まず最初は、ストロボが当たっているかなど、

基本的な所から指導をしていただきました。

 

そして水中でも写真を確認していただき、

その場で指導していただるので、

本当に他にはこんなセミナーは無い!

と思いました!!^^

 

もし上出さんが同じ場所で

同じ被写体を撮ったら自分たちとどう違うのか、

もぜひ知りたいというリクエストに応えていただき、

上出さんが撮られた写真を見せていただいたところ、、、

やはり衝撃でした!!!

 

同じ場所で同じ生物を撮っているので、

構図がいかに違うか、ピントがいかに違うかが、

この上なくリアルに分かりました!!!

 

夕食会では、

地元の美味しい食材の料理とともに、

上出さんのお写真をじっくりと拝見したり、

沢山のアドバイスをいただいたり、

様々な疑問、質問に答えていただいたり、

 

本当にすべてが有意義で

楽しい学びとなりました!!!

 

 

あと、とても不思議だったことの1つは、

上出さんが写真を撮っている時に

まるで生物たちがポーズを撮っているかのように観える

ということです!!!

 

それほど上出さんは、

海、自然、生物と一体化しているのだと感じました。

 

それらがとても上出さんのお写真に表れていると感じました。

 

その場で拡大して見せていただくと、

見たことが無いくらいのピントのシャープさにも驚きますが、

透明感、生命感、色彩の美しさ!!!

 

上出さんの、海と自然と生物への愛が、

この上なく溢れていると感じました!!!

 

そしてとても重要だと感じたことの1つは、

上出さんがどれほど熱意をもって

写真を撮られているかということでした。

 

今回はマクロメインでしたので、

小さな生物にピントを合わせるのはとても難しく、

どれほど時間をかけて、じっくりと撮られているかが分かりました!!!

 

このようなことは、

現場でしか学ぶことができないと思いましたので、

本当にこの上なく貴重な経験でした!!!

 

何が課題なのかが少しずつ観えてきた感じですので、

ぜひまた次のスキルアップを目指して、上出さんのお時間がある時に、

フォトセミナーを受けさせていただきたいと思っています!!!

 

 

皆さんにお見せできるような写真はまだ無いのですが、

4日間のセミナーの写真ということで、

4枚添付させていただきます。

 

今回は、まずは初めてのフルサイズの一眼カメラということで、

扱いに慣れること、ピント、構図の強化を優先として、

ほとんどが絞り優先、ストロボはTTLとしました。

 

1つめのカスリヘビギンポの写真は

ピントはそれほど外れていないと思いますが、

目の上の模様が綺麗なのでもう少し

そこにピントが合っていると良かったと思いました。

 

 

 

2つめは、初めてアカメハゼが(少しは!)撮れた!と感動でした!

上出さんのアドバイス通り、ゆっくり、じっくり向き合っていると、

アカメハゼもリラックスして?サンゴに降りてくれるのだと。

上出さんの指摘通り、白飛びしていると思いますので、

今後マニュアル等でじっくりとスキルアップしていきたいと思います。

 

 

 

3つめのチャツボホヤは、ピントが甘いですが、

ストロボの位置を工夫した結果、

背景の色がまあまあイメージ通りに出ました。

 

 

 

4つめは、カサゴの目玉だけを、

105mmのレンズ+クローズアップレンズで撮ってみました。

宝石のようで綺麗だと思いました。

 

 

以上、皆さまに少しでも何か参考になれば幸いです。^^

 

 

これからフォトセミナーにご参加いただく方々へ。

皆さんに

「セミナー終了後1週間以内に
1000字以上のレポートを送ってください」

と、お願いしている…

わけではありません。笑

 

短くても長くても、いただいたコメントは
何かしらの形で活用させていただきます。

もちろん、
コメントを送らなきゃいけない
わけでもないです。

 

でもやっぱり、
感想をいただけるのは励みになりますし、
その中に色々な学びがあったりしますね。

セミナーを振り返ってコメントを書く

というアウトプット作業が自分自身の
知識や体験を整理する事にもつながるので、
それ自体にも価値があるのかなと思います。

 


(D750 + AF-S Micro-Nikkor 105mm Z-240×2灯 f9 SS1/100秒 ISO200)

 

さて、今回はお二人から

・同じ被写体を撮ってそれだけ差が出るのか見てみたい
・上出さんの撮影風景を実際に見て勉強したい

というリクエストをいただきました。

海況やダイビングスキルを見ながら
安全が確保できる範囲でやってみます

という事で、何本かは
僕もカメラを持って海に入りました。

僕にとっては初めての試みでしたが、
これはこれで良かったなと思います。

 

あの人は生きているんだろうか?

と不安になるような、
呼気すらしばらく出てこない
僕の撮影風景はまあいいとして、

同じ被写体を参加者と僕で撮ってみる

というのは、
けっこうインパクトが大きかったようです。

 

4日間のセミナー後半には、

水中で上出さんの撮った写真を見せてもらって、
自分の写真との違いを目の当たりにして
「ガーン」となるのが気持ち良くなってきました。

と、Kさんはおっしゃっていました。笑

この記事に掲載している写真は
全てセミナー中に撮影したものですので、
良かったら参考にしてみて下さい。


(D750 + AF-S Micro-Nikkor 105mm Z-240×2灯 f8 SS1/100秒 ISO100)

 

Kさんからのコメントにもありましたが、
「シャープなピント」と「柔らかいボケ」
でメリハリをつけてあげるのが大事なのかなと思います。

その辺りの解説は、
今回のフォトセミナーである程度出来ました。

 

次回のセミナーでは

「構図」をスパイスのように効かせて、
「編集」で綺麗に盛り付けてあげる

みたいなお話ができれば良いなと思います。

完全に料理家気取りですね。

 

それでは、今日もここまで
読んで下さりありがとうございました!

少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。

 

 

p.s.

 

Kさんからいただいたコメントの冒頭に、

一度離れてしまったダイビングに10年ぶりに戻ってきた

というお話がありました。

素敵ですね。

僕が言うのもおこがましいですが、
熱中できる趣味と再会できたというのは、
物凄く価値のあることだと思います。

 

正直、ゴルフだろうが料理だろうが、
長く続けられて人生を彩り続けてくれるなら、
ダイビングじゃなくても何でも良いんです。

その結果周りの人を笑顔にしてあげられたり、
交友関係が広がって自分自身の成長につながったり、
趣味を通して人生がより豊かになります。

このブログを通して実現したいのはそういうことです。

 

僕自身は水中写真を通じて
皆さんとコミュニケーションをとっている以上、

一度離れたダイビングに戻ってきてくれて、
水中写真がきっかけでもう一度熱くなれたんだとしたら、

それが何より嬉しいです。

(更新:2017.12.12)

 

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