ハダカコケギンポから学ぶ水中写真の4ステップ ~沖縄の初雪に想いを馳せて~

 

こんにちは、上出です。

今日は、僕が大事にしている

「ONE DIVE ONE ART」

という心構えについて紹介します。

どういう意味かと言いますと、
【自己紹介ページ】でも簡単に触れさせていただきましたが、

「せっかくカメラを持って海に入ったら、自信をもって人に見せられる作品を1枚残そう」
「欲張って色んな被写体にカメラを向けずに、ひとつの被写体とじっくり向き合おう」
という事です。

「ONE DIVE ONE ART」「欲張らず、心を込めて、1本のダイビングで1枚の作品を 」

ということですね。
(最初から日本語で書けよなんて言わないで下さい。笑)

これは僕自身のテーマであることはもちろん、
場合によっては人から
水中写真のアドバイスを求められたときに
この考え方をお伝えすることもあります。

とは言っても、
何のために水中写真を撮るのか
は人それぞれです。

とにかく見た魚を全て写真で記録したいという方もいるでしょうし、
年に一回しかダイビング旅行には行けないから、沢山の想い出を水中写真で残したい
という方もいるでしょう。

僕自身、
水中写真を始めてしばらくの間は、
一度のダイビングでたくさんの生き物を撮影していました。

実際に水中でたくさんシャッターを切らないと上達しないことは事実ですし、
それはそれで必要なステップだと思います。

 

なのでこの心構えは、
「みんなそうあるべきです!」
という話ではありません。

あくまでこれが今の僕の
作品づくりにとっては丁度いいスタイルだし、
「へーそんな考え方もあるのね。」
と思っていただければ十分です。

 

それではここで、実際に僕がどれくらいの時間をかけて、
どんな思いで被写体と向き合っているのか、
ハダカコケギンポの写真を例にとって紹介しますね。

 

 

捜索
この時は最初から、ハダカコケギンポを撮影するつもりでした。
なのでエントリーすると真っ直ぐ
ハダカコケギンポたちが住む一帯に向かったのです。

仲間のガイドと2人で捜索を開始するも、
見つかるのは黒い(紺?)個体ばかり…

お目当てのオレンジの個体が中々見つかりません。

結局、黒い個体を5匹ほど見つけた後、
ファイアーオパールのように輝くその子を見つけ、
嬉しくなった僕は
髭ボーボーの仲間の手をギュッと握りしめ、

しばらくマスク越しに見つめ合っていました。
その間、15分。(探していたのが、です。)

 

観察
さて、見つけたらどうしましょうか。
場合によってはすぐにカメラを構えることもあります。
(逃げてしまう生き物や、水深が深くて時間をかけられない場合。)

でも僕は、できる限りまずは
その生き物を観察するようにしています。

特にこの被写体は、
色んな方向から撮影できますし、
止まっているようで結構動くので、
どんな瞬間をどのアングルから抜こうか
ファイダーを覗く前にある程度考えました。

その間、5分。

 

構図
さて、ようやくファインダーを覗きます。
でも、パッと覗いたからと言って、
思い通りの光景が広がっているわけではありません。(僕の感覚がイマイチ?笑)

ここから構図を追い込んでいきます。

ハダカコケギンポの顔って
実物は小指の爪くらいでかなり小さいので、この時は最短撮影距離でまで寄ることにしました。

当然、何も考えずに近づいたら穴の中に隠れてしまうので、
ゆっくりゆっくり、
ファインダーを覗きながら距離を詰めていきます。

ようやく構図が決まりました。

 

その間、10分。

 

刹那
後は、待つだけです。

そう、その刹那を。

すでに撮りつくされた被写体、
ハダカコケギンポ。

撮影は12月。

沖縄に降る初雪に言葉を失い、ただただ空を眺めているような…

ただでさえ間の抜けた顔をしている彼を、
もっともっと間抜けに愛らしく撮るにはこれしかないと思っていました。

彼らは、十数分に一度、いわゆる威嚇というよりは、
あくびのような感じで口を大きくあけます。

そのあくびの瞬間まで、
いつでもピントを合わせてシャッターを切れるように、
僕はピクリともせず待っていたのでした。

 

その間、15分。

 

 

最初から何を撮るか決めているとは限らないですし、
水中ワイド撮影の時には少し勝手が違いますが、

ひとつの例として、
このケースでは自分なりに満足のいく
写真が撮れるまでに45分を要しました。

普通のファンダイビングだったら、
これで1本終わりですね。

 

もちろん、
実際には5分で納得できる写真が取れることもありますし、
終わってみれば作品と呼べる写真が
何枚も撮れていたなんてこともあります。

逆に、納得できるまで被写体と向かい続けた結果、
潜水時間が90分を超えることも珍しくありません。

 

あくまで「ONE DIVE ONE ART」は、

自分の心に「ゆとり」と「こだわり」をちょうど良く持たせるための、
ひとつのオマジナイみたいなものです。

僕自身が、
以前は少し忙しく、欲張って撮影していたな
という思いがあったので、
今はこんな考え方に落ち着いています。

 

今日は、

1本のダイビングで1枚、
最高の作品を丁寧に撮ろう

という考え方を紹介させていただきましした。

 

少しでも皆さんの参考になれば嬉しく思います。
今日もここまで読んで下さりありがとうございました!

 

(更新:2017.2.27)

 

 

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