水中撮影の基本 ~ストロボ(フラッシュ)はいつでも強制発光?~

この記事は4分で読めます


 

こんにちは、上出です。

 

今日は、

 

「ストロボを焚く」という水中撮影の基本スキル

 

について紹介します。

 

 

ここではできるだけ小難しい話はせずに、

 

思い通りの水中写真を撮るためにストロボと

どう付き合っていけばいいのか?

 

を解説していきますが、まずは簡単に、

 

なぜストロボを焚くのか?

 

についてさらっと触れておきますね。

 

 

皆さんもご存知の通り、

水中での物の見え方は陸上とは違います。

 

Cカード講習で学んだ知識は遠い記憶のかなたかもしれませんが、

テキストにはこんな内容の解説が載っていたはずです。

 

 

白色光が水中に入ると、水深が増すのに従って光が1種類ずつ吸収されていきます。

最初は赤、次にオレンジ色と黄色が吸収され、緑と青は最後に吸収されます。

(PADI OPEN WATER DIVER Manual Version2.08 p76)

 

 

これは言い換えると、

太陽光が届く浅瀬以外の水中では、

赤・オレンジ・黄の物体は茶色や灰色、黒に見える

ということです。

 

で、この状況でそのままシャッターを切ると

良くも悪くも見たままの景色、つまり、

青い海と黒っぽい魚やサンゴの世界が写ります。

 

ですので、

 

魚やサンゴが本来持つ色を再現したければストロボを

強制発光にして届かない太陽光を補ってあげれば良いですし、

 

見たままの景色を切り取りたければ

ストロボを発行禁止にすればOKです。

 

 

では具体的に、どうやって

このストロボのON/OFFを使い分ければいいのでしょうか?

 

もちろんその状況によって、そして撮影者によって

伝えたいことは変わるはずなので何が正解という事はありません。

 

なのでここでは、

実際に僕がどうやって判断しているのかを紹介します。

 

 

 

結論から言えば、

僕の水中撮影は90%以上ストロボ強制発光です。

 

なので、

基本は強制発光、特別な意図がある時だけ発行禁止、

というイメージですね。

 

僕は、

目に見えたままの水中世界を伝えたいという思いよりも、

水中でしか見ることのできない彩りを表現したい、

という思いの方が強いです。

 

なので、ストロボを使って本来被写体が持つ美しさを

忠実に再現してあげることを何より大事にしています。

 

 

dsc_8384-11

(Nikon D7000 + TOKINA AT-X 107 + S-2000 2灯 f9 1/250秒 ISO100)

 

 

でも、そんな僕にも

ストロボを発行禁止にして撮影する場面があります。

 

例えば、

 

・カメやマンタなどの大物、あるいは魚の群れを

下からあおって撮影しシルエットで切り取る

 

・太陽光がキラキラ降り注ぐ浅瀬のサンゴを撮影する

 

・ストロボの発行が禁止されているイルカやジンベイザメを撮影する

 

なんていう場面でしょうか。

 

 

特にこの「シルエットで切り取る」という選択肢は、

僕は大物や群れを撮る時には常に頭の片隅に入れています。

 

なぜなら、

場合によってはストロボの光が届く近さまで

被写体に寄れないことがあるからです。

 

ストロボの光は、陸上ではそこそこ遠くまで届きますが、

水中では5mも離れたらもうほとんど届きません。

 

 

なので、例えばギンガメアジの群れに

5mしか寄れない状況でストロボを発行して撮影すると、

 

群れには光が届かず近くにある水中の浮遊物に光が当たり、

白いゴミだらけの写真になってしまいます。

 

それよりは、

アジのギラギラ感を出してあげることを潔く諦め、

発行禁止にして群れをシルエットで切り取る方が

作品として仕上げやすくなります。

 

dsc_9516-11

(Nikon D7000 + TOKINA AT-X 107 f9 1/250秒 ISO100)

 

 

でもやはり、

僕にとっては発行禁止というのは第一選択ではありません。

 

まずはどうやってストロボを使ってライティングするかを考えます。

 

 

ライティングは物凄く奥が深いので

また別の機会に色々紹介できればと思いますが、

 

最も重要なことは、

まずはストロボの光が届く近さまで被写体に寄る

ということです。

 

これは小さな魚を撮る水中マクロ撮影でも、

群れや大物を撮る水中ワイド撮影でも同じです。

 

 

先日、

 

「ギンガメアジの群れがうまく撮れません…」

 

というご相談を頂いたので、

 

「触れるくらい群れに近づいてみてください!

触っちゃダメですけどね!笑」

 

とアドバイスをしたら、だいぶ写真が変わったようで、

ご本人にもとても喜んでもらえて僕も嬉しかったです。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

(E-PL6 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ +INON D2000 f7.1 1/200秒 ISO200)

 

 

ちなみに、コンデジについている内臓ストロボは、

外付けのストロボに比べてパワーが落ちます。

 

なので、大物や群れだけではなく、

ウミウシやハゼ、スズメダイなど小さな生き物を撮る場合でも、

まずはしっかり寄ることを意識した方が良いです。

 

被写体に寄ることの重要性は、

別の記事でも解説していますので参考にしてみて下さいね。

参照:水中写真の基本スキル ~被写体に寄る~

 

 

dsc_7879-13

(Nikon D7000 + AF-S VR Micro-Nikkor 105mm + S-2000 2灯  f4.5 1/250秒 ISO100)

 

 

もちろん最初はコンデジ+ハウジングという最小限の

組み合わせで水中写真をスタートすれば良いと思いますが、

 

コンデジに内蔵されているストロボは光量が少ないだけでなく、

ついている位置が左右どちらかに寄っているので

どうしても満足なライティングはできません。

 

ですので、どこかのタイミングで

外付けストロボを1灯用意することをお勧めします。

 

ここで解説を始めると長くなってしまいますので、

外付けストロボについてはまた別の機会にお話ししますね。

 

 

今日は、

 

・ストロボのON/OFFはその時々で判断する必要がある

 

・僕自身は基本は強制発光で、特別な意図がある時のみ発行禁止にしている

 

・被写体にストロボ光が届く距離まで寄ることが大切

 

というお話をさせて頂きました。

 

 

少しでも皆さんの参考になれば嬉しく思います。

 

今日もここまで読んで下さりありがとうございました!

 

 

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管理人 : 上出 俊作 (水中写真家)

沖縄本島を拠点に活動している水中写真家です。

これまで、写真集の出版や写真展の開催などを通して、海の魅力を伝えるべく水中写真家として活動してきました。

撮影スタイルという程でもないですが「日常を切り取る」という事が僕にとっての大事なテーマです。

珍しい生き物を追いかけ回したりせず、水中の生き物たちとかくれんぼやにらめっこをして遊びながら、のんびりと撮影しています。

「水中写真を通して共に成長し合える仲間と出会い、一緒に豊かな人生を歩んで行きたい。」

そんな思いから生まれたのが、このブログです。

自分と真剣に向き合う事の大切さを教えてくれた水中写真に、日々感謝しています。
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資格・所属

PADI Instructor (OWSI #827547)
PADI Digital Underwater Photographer Instructor
PADI Enriched Air Specialty Instructor
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