水中写真の基本スキル ~被写体に寄る~

この記事は4分で読めます


 

こんにちは、上出です。

 

今日は、

 

「被写体に寄る」という水中撮影の基本スキル

 

について紹介します。

 

 

まずはこちらの写真をご覧ください。

 

 

dsc_5744-2

(D750 + AF-S VR Micro-Nikkor 105mm  f11 1/160秒 ISO400)

 

 

これがいわゆる「被写体に寄れていない」写真です。

 

実は僕も、水中写真を始めて間もない頃は

こんな写真を量産していました…。

 

残念ながらこの写真からは

被写体の美しさ、可愛さ、迫力が伝わってきません。

 

ヒレナガネジリンボウが2匹いる

という事実だけがわかります。

 

 

では、

 

なぜこの写真からは何も伝わってこないのでしょうか?

 

しっかり被写体に寄ると写真がどんな風に変わるのでしょうか?

 

 

それをこれから解説していくわけですが、

「被写体に寄ることが重要」という考え方は、

 

コンデジ、ミラーレス一眼、一眼レフ

どのカメラを使っていても同じです。

 

ですので皆さんには、

これまでに撮影した写真を見返しながら、

そしてご自分の撮影風景を思い出しながら、

この先を読んで頂けたらなと思います。

 

 

 

まず、何故できるだけ被写体の近くまで

寄って撮影した方が良いのかというと、

 

水中では陸上と違い、

レンズと被写体の間に「水」というフィルターがあるから

 

というのが最大の理由です。

 

例えばサバンナでチーターの写真を撮る時には、

遠く離れたところからバズーカのような

望遠レンズで撮影するのが一般的だと思います。

 

この場合、

レンズと被写体の間にあるフィルターは「空気」だけです。

 

そのため、遠くからでもチーターを

くっきりシャープに写すことができます。

 

 

でも、間に水フィルターがあるとそうはいきません。

 

ここで小難しい話はしませんが、

先程紹介したヒレナガネジリンボウの写真のように

 

分厚い水フィルターを通して撮った写真は

全体が青っぽくなり、画質もクリアじゃなくなる

 

というのは、

なんとなくわかって頂けるのではないでしょうか?

(これは青カブリと呼ばれています。)

 

 

そして実際には、ダイビングポイントの水が

いつも綺麗で透き通っているとは限りません。

 

海外リゾートや沖縄なら比較的綺麗ですが、

春濁りの入った伊豆なんかですと、

まるで池の中を泳いでいるんじゃないか

というような感覚になりますよね。笑

 

そのような、水中の浮遊物が多い状況

被写体とレンズの間の距離が長くなってしまうと、

(水+浮遊物フィルターが分厚くなってしまうと)

 

青カブリだけでなくゴミだらけの写真になってしまいます。

 

なので、これは避けたいところです。

 

 

 

ではなぜ、

水中写真初心者の方は被写体に寄らずに

遠くから撮ってしまうことが多いのか?

 

 

一つ目の理由は、ここまで解説してきた陸上と水中の

フィルターの違いを知らなかったからだと思います。

 

例えばディズニーランドのエレクトリカルパレードで

踊っている(?)ミッキーの写真を撮るとしましょう。

 

おそらく多く人が、

何のためらいもなくデジカメのズーム機能を使って

ミッキーを大きく撮ろうとするのではないでしょうか。

 

陸上ではこのやり方で十分綺麗に撮れると思いますし、

被写体に寄ろうとしてミッキーに向かって走り出したりしたら

警備員に取り押さえられてしまいます。笑

 

一方水中では、被写体に寄らないと綺麗な写真は撮れません。

 

もちろん周りのダイバーや環境への配慮は必要ですが、

陸上の感覚からは早めに方向転換する必要があるんですね。

 

 

二つ目の理由は、綺麗だったり珍しい生物を見つけると、

嬉しくなってその場でカメラを構えてしまいがちだからです。

 

その美しいものを見て揺れ動いた感情は大切に持ったまま、

一度深呼吸して、少し近づいてからカメラを構えてください。

 

それだけで写真の出来が大きく変わります。

 

 

dsc_5800-2

(D750 + AF-S VR Micro-Nikkor 105mm  f11 1/160秒 ISO320)

 

 

ちなみに、カメラやレンズによって、

被写体にどこまで近づくことができるのかは異なります。

 

メーカーHPに書いてありますが、

見てもイメージがわかないと思いますので、

 

実際に被写体にできるだけ近づいて撮影し、

「これ以上近づくとピントが合わない」

という距離を感覚的に掴んでいくのがお勧めです。

(これが最短撮影距離と呼ばれているものです。)

 

 

それから、被写体に近づくときには、

ゆっくり少しずつ寄っていくのが良いですよ。

 

いきなりギュッと距離を詰めようとすると、

小っちゃいハゼなんかは穴に隠れてしまいますし、

それこそ大きなサメだってびっくりして逃げてしまいます。

 

サメやマンタなんかの大物は、

自分から距離を詰めるというより、

向こうから近づいてくるのを待つという感覚でしょうか。

 

 

dsc_0830-11

(D7000 + TOKINA AT-X107  f11 1/200秒 ISO250)

 

 

実は、被写体に寄って撮影することのメリットは

 

背景がボケやすくなる

ストロボがしっかり当たる

 

など他にもたくさんあるのですが、

長くなってしまうのでまた別の機会に解説しますね。

 

 

今日は、

 

水中の生き物の美しさや迫力を表現するためには、

できるだけ被写体に近づいて撮影する必要がある

 

というお話をさせて頂きました。

 

少しでも皆さんの参考になれば嬉しく思います。

 

今日もここまでご覧いただきありがとうございました!

 

 

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管理人 : 上出 俊作 (水中写真家)

沖縄本島を拠点に活動している水中写真家です。

これまで、写真集の出版や写真展の開催などを通して、海の魅力を伝えるべく水中写真家として活動してきました。

撮影スタイルという程でもないですが「日常を切り取る」という事が僕にとっての大事なテーマです。

珍しい生き物を追いかけ回したりせず、水中の生き物たちとかくれんぼやにらめっこをして遊びながら、のんびりと撮影しています。

「水中写真を通して共に成長し合える仲間と出会い、一緒に豊かな人生を歩んで行きたい。」

そんな思いから生まれたのが、このブログです。

自分と真剣に向き合う事の大切さを教えてくれた水中写真に、日々感謝しています。
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資格・所属

PADI Instructor (OWSI #827547)
PADI Digital Underwater Photographer Instructor
PADI Enriched Air Specialty Instructor
潜水士
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