水中写真はどのホワイトバランス(WB)で撮るのが正解?

この記事は9分で読めます


 

こんにちは、上出です。

 

いつも陽だまりかくれんぼを

ご覧いただきありがとうございます。

 

 

最近嬉しいことに、ブログやメルマガを通して、

読者の方々からご質問をいただく事が多くなってきました。

 

僕自身それらのご質問にお答えする過程で、

色々なことを勉強させてもらっていますし、

 

それをこの場でシェアすることによって、

 

 

・より多くの方のお悩みを解決できるんじゃないか

 

・新たな疑問が生まれて次のステップに進むきっかけになるんじゃないか

 

 

と思いましたので、今後は

 

「読者さんからの質問回答コーナー」

 

を記事としてアップしていこうと思います!

 

 

D750 + AF-S Micro-Nikkor 105mm

f9 SS1/100秒 ISO100

色温度4550K 色かぶり補正+31

 

 

 

では早速ですが、第一弾は

 

「水中写真に最適なホワイトバランスは?」

 

というテーマについて回答していきます。

 

 

ご質問をいただいたOさん、ありがとうございました!

(コメント掲載もご快諾いただきありがとうございました!)

 

以下、いただいた質問です↓

 

 

水中写真を撮る上で、

どのホワイトバランスを選ぶのが良いのか…

 

シーンによって変えるの??

外部ストロボ使用時は変えるの???

 

などなど、謎もたくさんです。

 

私はホワイトバランスは水中にしていましたが、

青被りひどい時もあったりで困っていました。

いろんな人に聞いても、水中がいい、太陽マークがいい

など意見もたくさんあり、正直分かりません(汗)

 

ホワイトバランスの使い方のコツを、

教えていただきたいです。

 

 

質問の内容がシンプルで、課題も明確ですね。

 

 

START:なかなか思い通りの水中写真が撮れない

GOAL:思い通りの写真が撮れるようになって楽しい

 

 

この間を埋める課題は人それぞれ違うはずですし、

ひとつではないはずです。

 

漠然とした悩みを一度バラバラにして、

ひとつひとつクリアにしていく必要があります。

 

 

実は、Oさんからは他にもいくつか質問をいただいていたのですが、

それぞれのテーマ毎にしっかりと質問が分かれていました。

 

僕が開催しているプライベートフォトセミナーでは、

それぞれの方が抱えている課題をひとつずつ

明確にするところからスタートするのですが、

 

Oさんの場合はすでにご自身で

課題を分けて認識することができていますよね。

 

こういう方は、成長のスピードが圧倒的に速いです。

 

 

 

さて、少し横道に逸れましたが、

ホワイトバランスの話に入っていきましょう。

 

 

そもそもホワイトバランスって何?

 

というお話からしておかないと

いけないとは思うのですが…

 

 

色んな所に書いてある

 

「白を白く写す」

 

みたいな話は、

正直意味がよくわからないと思います。

 

「白は白だろ?そもそも水中には紙とか雲とか真っ白の物がねえよ。」

 

なんて、思ってないでしょうか?

 

僕は昔思っていました。笑

 

 

なのでこの記事では、小難しい話は省いて、

言葉の正確さよりもわかりやすさを重視して、

できるだけ具体的に解説していきます。

 

D750 + AF-S Micro-Nikkor 105mm

f13 SS1/80秒 ISO200

色温度6800K 色かぶり補正+61

 

 

 

まず、ホワイトバランス(WB)というのは、

明るさでも色の鮮やかさでもありません。

 

 

「色味」のことです。

 

 

同じものを撮影しても

周囲の光によって色味が違って写るので、

それをカメラの設定で整えてあげましょうね

 

というのがWBの概念です。

 

 

周囲の光というのはその時によって変わります。

 

部屋の中から外に出れば周囲の光は

蛍光灯から太陽光に変わりますし、

 

ずっと屋外にいるとしても、

空は晴れたり曇ったりしているので、

常に周囲の光が変化し続けています。

 

なので、理想を言えば、

周囲の光に合わせて常にカメラのWBを

微調整し続ける必要があります。

 

 

 

でも、それを完璧にやるのは無理です。

 

晴れてる曇ってるくらいはわかりますが、

周囲の光を人間の目は正確に把握できません。

 

 

だから、WBというのは

本来数字(K:ケルビン)で表すものですが、

わかりやすいように「晴れ」とか「蛍光灯」とか、

周囲の状況を示すマークがついてます。

 

実際に周囲の光が見えているわけじゃないけど、

晴れてるか曇ってるか、蛍光灯か白熱電球か、

それくらいはわかるでしょ?

 

という感じです。

 

 

そして、それさえもよくわからない時や、

状況が目まぐるしく変わる時のために、

 

「WBオート」というのが

どのカメラにもついています。

 

周囲の光がある程度変わっても、

だいたい対応できるようにあらかじめ

プログラミングされているわけです。

 

 

 

D750 + AF-S NIKKOR 14-24mm

f11 SS1/250秒 ISO250

色温度7500K 色かぶり補正+35

 

 

 

さて、話を水中に戻します。

 

 

水中における周囲の光と言うのは、

もちろん晴れてる曇ってるによっても違いますし、

透明度や撮影する深度によっても違います。

 

「水」という分厚いフィルターの状況が、

その日その場所によって変わります。

 

つまり、水中の周辺光というのは、

陸上以上に目まぐるしく変わっていますし、

とっても多くの要素がからんできます。

 

 

それだけ特殊な環境なので、

通常の「WBオート」では対応しきれません。

 

なのでオリンパスなどの

水中写真に力を入れているメーカーは、

「水中WB」というプログラムを

わざわざ作っているわけです。

 

しかもオリンパスの「水中WB」というのは、

ある一定の条件を想定した固定のWBではなく、

 

周囲の海の状況に合わせて

良い感じに色を調整してくれます。

 

つまり、海の中なら万能に使える

「水中オートWB」ですね。

 

 

 

でも、考えてみて下さい。

 

・葉山でダンゴウオを撮っているとき

・ロタホールに差し込む光の筋を撮っているとき

 

例えばこの2つのシチュエーションを、

ひとつのWBモードでカバーできるのでしょうか?

 

 

ちょっと厳しそうですよね。

 

「水中」でまとめちゃあかんやろ

 

と、感覚的に思うはずです。

 

 

しかも、誰にとって、どれくらい、

良い感じに調整してくれるのかもわかりません。

 

なので「水中WB」にしておけば

いつも自分の思い通りの色味になるかというと、

そうは問屋が卸しません。

 

 

 

結局、何を伝えたいのかと言いますと、

 

カメラにあらかじめ

プログラムされているWBモードを使って

思い通りの色味を表現することは難しい

 

という事です。

 

なので、多くの写真家・カメラマンが、

RAW現像の段階でWBを調整します。

 

 

つまり…

 

僕は特にそうなのですが、

撮影時にはそれほどWBを気にしていません。

 

ここ数年ずっと水中での設定は「晴れ」のままです。

 

とりあえず「晴れ」に設定しておけば、

 

マクロもワイドも、水中で確認した時に

自分のイメージから色味が大きく外れない

 

という感覚です。

 

 

 

それではここで、

Oさんの質問をいくつかに分けて

回答してみましょう。

 

 

【質問】

 

水中写真を撮る上で、

どのホワイトバランスを選ぶのが良いのか…

シーンによって変えるの??

 

 

【回答】

 

まず、理想を言えば…

 

・JPEGだけでなくRAWでもデータを保存する設定にする

・「WB晴れ」に設定して撮影する

(「水中WB」だと状況によってWBの微調整がかかり、

RAW現像時にWBの数値がバラバラで扱いにくいため。)

・RAW現像ソフトでWBを自分のイメージに近づくように調整する

 

という流れです。

 

JPEGのデータは後からWBの調整がしづらい(画質が落ちる)ですが、

RAWデータで保存しておけば、後からほぼ自由にWBを変えられます。

 

JPEGとRAWの解説はこちらをご参照ください↓

 

(参照:水中写真こそRAW現像の恩恵を最大限受けられるワケとは?)

 

 

でも、みんながみんな

RAW現像ソフトを使うわけではないですし、

「最初からJPEG」派も多いと思います。

 

なので、RAWで保存しない場合の

考え方についても回答しておきますね。

 

 

これまで解説してきました通り、

「水中」でも「晴れ」でも

撮影時に思い通りの色味を

完全に再現するのは難しいです。

 

その時々によって適するWBは違いますし、

「水中」と「晴れ」の間くらいがベストという

シチュエーションもあるでしょう。

 

 

それに、それぞれの好みの問題もあります。

 

オリンパスブルーが好き・嫌い

 

という話はよく耳にしますよね。

 

 

Oさんのおっしゃる通りで、

本来WBはシーンによって変えるべきものですが、

 

水中ではなかなか判断する余裕も

カメラをいじる余裕もないので、

 

現実的には、

 

基本はWBを「水中」に設定しておき、

イメージとかけ離れた色味の写真が

撮れてしまったときには「晴れ」に変える

 

という感じでしょうか。

 

あるいは「水中」に設定した時の

わざとらしい海の青さが嫌いという方の場合は、

基本を「晴れ」にしておけばいいと思います。

 

D750 + AF-S NIKKOR 14-24mm

f11 SS1/250秒 ISO400

色温度8700K 色かぶり補正+121

 

 

 

【質問】

 

外部ストロボ使用時は変えるの???

 

【回答】

 

外付けなのか内蔵なのかは一旦置いておいて、

 

ストロボを使うか使わないかによって

「水中」か「晴れ」かを選ぶ

 

という考え方も、確かにできますね。

 

 

例えば、ストロボを使わずに

魚の群れをシルエットで写すようなシチュエーション。

 

この場合は、抜けの良い青を表現するために、

「WB水中」にしてあげると良いでしょう。

 

D750 + TOKINA AT-X107

f9 SS1/250秒 ISO100

色温度6700K 色かぶり補正+41

 

 

一方、ストロボをたいて

小さな生き物を撮るようなシチュエーションでは、

「WB晴れ」の方が自然に仕上がることが多いです。

 

なぜそうなるかというと、

そもそも「WB水中」というのが

 

水中で最初に失われる

赤系の色を補って本来の色を再現する

 

という目的のWBモードだからです。

 

せっかくストロボを使って色を再現させたのに、

わざわざ水中WBで補正する必要はないでしょ?

 

という事です。

 

実際には、

カメラによって癖は異なりますし、

自分のカメラで色々試してみて下さい。

 

D750 + AF-S Micro-Nikkor 105mm

f9 SS1/160秒 ISO200

色温度4300K 色かぶり補正+32

 

 

 

【質問】

 

私はホワイトバランスは水中にしていましたが、

青被りひどい時もあったりで困っていました。

 

【回答】

 

青被りという言葉は、

人によって捉え方も違って難しいですよね。

 

純粋に海の色が青っぽ過ぎるという意味なら、

WBを水中から晴れに変えれば補正されると思います。

 

 

あるいは、

 

マンタのお腹が真っ白ではなく

青っぽく写ってしまった

 

という意味の青被りもありますね。

 

この場合、WBだけで

何とかするのはちょっと厳しいです。

 

ストロボやライトでしっかりと被写体に光を当てて

本来の色を再現してあげるしかないと思います。

 

D750 + TOKINA AT-X107

f11 SS1/250秒 ISO200

色温度6200K 色かぶり補正+51

 

 

 

今日はここまで、

 

JPEG撮って出しで

撮影時に完璧な色味を再現することは

水中写真においては特に難しい

 

という前提を踏まえたうえで、

 

自分のイメージに一番近いWBを

その時々で選ぶことが重要

 

というお話をさせていただきました。

 

 

本当は僕も

 

「水中ではこうするべきです!」

 

と、バシッと回答したかったのですが、

残念ながらこれが現実です。

(だからみんな困っているのですが。)

 

もしRAWではなく最初からJPEGで、

色味にもっとこだわりたいのなら、

WBを微調整するという方法もあります。

 

 

ただ、今日はここまで

だいぶ長くなってしまいましたので、

 

RAW現像時や撮影時のWBの調整方法

 

については次回詳しく解説しますね。

 

 

それでは、今日もここまで

読んで下さりありがとうございました!

 

少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。

 

 

 

p.s.

 

 

今日は何度か

 

「思い通りの色味」

 

という言葉を使いましたが、

 

アートとしての水中写真に

色味の「正解」はありません。

 

WB、露出、構図、全部そうですが、

自分が「これだ!」と思ったらそれが答えです。

 

その辺も踏まえて、

次回は詳しくWBの調整方法を解説します。

 

 

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管理人 : 上出 俊作 (水中写真家)

沖縄本島を拠点に活動している水中写真家です。

これまで、写真集の出版や写真展の開催などを通して、海の魅力を伝えるべく水中写真家として活動してきました。

撮影スタイルという程でもないですが「日常を切り取る」という事が僕にとっての大事なテーマです。

珍しい生き物を追いかけ回したりせず、水中の生き物たちとかくれんぼやにらめっこをして遊びながら、のんびりと撮影しています。

「水中写真を通して共に成長し合える仲間と出会い、一緒に豊かな人生を歩んで行きたい。」

そんな思いから生まれたのが、このブログです。

自分と真剣に向き合う事の大切さを教えてくれた水中写真に、日々感謝しています。
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資格・所属

PADI Instructor (OWSI #827547)
PADI Digital Underwater Photographer Instructor
PADI Enriched Air Specialty Instructor
潜水士
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