水中写真の基礎 ~魚の眼にピントを合わせる~

 

こんにちは、上出です。

今日は、

「眼にピントを合わせる」という水中撮影の基本スキル
について紹介します。

眼にピントを合わせるというのは、
水中撮影に長年取り組んでいる人にとっては当たり前の知識・スキルです。

でも、僕自身も水中写真を始めたばかりの頃は
眼にピントが合っていない写真を
Facebookにどしどし投稿していましたし、
今でも水中写真のアドバイスを求められた時に、

「しっかり眼にピントを合わせればそれだけでだいぶ良くなりますよ。」

というお話をすると、

「あ、ピントは眼に合わせるんですねー、知りませんでした!」

という応えが返ってきてハッとする事があります。笑

もしかしたら、当たり前だからこそ、
この基本的な知識について一から
教えてくれる人が少ないのかもしれませんね。

なので、ここではあらためて、
なぜ眼にピントを合わせるべきなのか?
について解説していきます。

では、まずはこちらの写真をご覧ください。

dsc_4286-11
(D7000 + AF-S VR Micro-Nikkor 105mm  f4.5 1/200秒 ISO100)

なんとなく、全体がぼやっとしていませんか?
この写真は、ハゼの眼にピントが合っていません。
眼の少し後ろ側にピントが来ています。

個人的には、水中写真はそれぞれが
自由に撮って楽しむべきだと思っているので、
これはこうしなきゃいけない!
みたいな発想は好きじゃないです。

でも、ピントに関しては、
何か特別な意図がない限りは眼に合わせておかないと、
上の写真のように何だか締まりのない写真になってしまいます。

では同じ個体で、
眼にピントがきている写真を見てみましょう。

dsc_4284-12
(D7000 + AF-S VR Micro-Nikkor 105mm  f4.5 1/200秒 ISO100)

背景のボケ方なんかはほぼ同じですが、こちらの写真は、
パッと見た時に自然と眼に目がいきませんでしたか?

目は口程に物を言うなんて言われ方もする通り、
眼にはその生き物の様々な心境や状況が投影されます。

特に、言葉を発しない人間以外の生物の場合、
僕たちはその目を見て何かを感じようとするはずです。

ですので、生き物の眼にピントが合っていないと、
その写真から得られる情報が極端に少なくなり、
そこにあるはずのストーリーに思いを巡らすことができません。

しかも、陸上の動物と違い、体の色や模様が地味でも
眼だけがとても美しい生き物が水中にはたくさんいるんですよね。

なので、パッと見は印象が薄くても、
とりあえずしっかり眼にピントを合わせて撮ってみたら
意外と綺麗な写真になったという事も良くあります。

dsc_9910-11
(D7000 + AF-S VR Micro-Nikkor 105mm  f4.5 1/250秒 ISO100)

もちろん、眼以外の部分が美しかったり、
何か心を動かされるようなものがあれば、
必ずしも目にピントを合わせる必要はありません。

というか、眼以外の部分だけを切り取ってもOKです。

dsc_4257-11
(D7000 + AF-S VR Micro-Nikkor 105mm  f3.5 1/250秒 ISO100)

 

このように、
水中写真は自由な発想で楽しめば良いと思いますが、
基本は眼にピントを合わせると思っておくと良いです。

そしてこれはコンデジでも一眼レフでも同じですが、
水中でピントが合っているかどうかは確認してくださいね。

僕自身はピントに関しては結構こだわる方なので、
その都度目にピントがバチっと合っているか確認して、
合うまでひたすら撮り続けます。笑

そもそも、クマノミみたいにちょこまか動き回る被写体の眼に
たった数枚でピントを合わせようとするのは無理があります。

せっかくデジカメは何枚撮ってもタダなので、
特に慣れないうちはひとつの被写体に時間をかけて、
しっかり眼にピントが合うまで粘ってみるのがお勧めです。

 

今日は、

水中写真はそれぞれが自由な発想で楽しんだら良いけど、
眼にピントを合わせるという基本はおさえておきましょう

というお話をさせて頂きました。

 

少しでも皆さんの参考になれば嬉しく思います。
今日もここまでご覧いただきありがとうございました!

 

(更新:2016.10.1)

 

 

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