こんにちは、上出です。
沖縄の春の風物詩と言えば、
ギンガメアジの群れですね。
そう、粟国島のアジ玉です。
おそらく、普段からこのブログを読んで下さっている方の中でも、
結構な数の方が今年も粟国島に行かれるんじゃないかと思います。
粟国島に行きさえすればアジ玉は高確率で見ることができますが、
「迫力ある作品」
を残すことは、簡単ではありません。
はっきり言って、群れの撮影は難しいです。
まだまだ僕も試行錯誤しながら取り組んでいるジャンルですので、
今日は参考までに、
群れを撮影する際に僕が意識していることをいくつか紹介できればと思います。
(Nikon D7000 + TOKINA AT-X107 +INON S-2000×2 1/200秒 f9.0 ISO100)
まず、魚の群れを撮影しようと思ったら、
画角の広い広角レンズを用意する必要があります。
一眼だったらフィッシュアイレンズがお勧めですね。
魚眼ではない超広角レンズでも撮れますし、僕も最近のワイド撮影のメインはこちらですが、
正直、
「群れ」に関しては魚眼の方が撮りやすいです。
コンデジだったら、
ワイドコンバージョンレンズ(ワイコン)を装着するのがベターですが、
ワイコンが無くても、広角側に目一杯ズームすればまあまあ撮れます。
僕も今年は、先日ご紹介した
ワイコンの付けられないCOOLPIX AW130
でも撮ってみようかなと思っています。
それから、群れの撮影に関しては外付けストロボは必須です。
できれば1灯ではなく
2灯あった方が良いと思います。
ストロボの選び方や設定については、また後程解説しますね。
もし外付けストロボをお持ちでない場合は、
最初からシルエットで狙うというものありですよ。
(Nikon D7000 + TOKINA AT-X107 1/250秒 f9.0 ISO100)
さて、
群れの撮影で最も重要な要素
とは何でしょうか?
僕自身は、
「シャッターを切るタイミング」
だと思っています。
これはギンガメアジに限った話ではなく、
スカシテンジクダイやデバスズメダイなど、
小魚の群れでも同じです。
群れというのはある意味、
「群れ全体でひとつの生命体」
という捉え方ができます。
なので、
群れとしての形や動きをどのように切り取るのか
によって、
その写真を見た人の感じ方も180°変わってきます。
あなたが伝えたいものは、
「生き物たちが織り成す奇跡的な調和」
なのか。
それとも、
「調和が崩れた刹那の緊迫感」
なのか。
もちろん最初からどう撮るのか決めている必要はありませんが、
どちらにしろ、撮影できるチャンスは一瞬です。
タイミングがずれれば、中途半端な写真になってしまいます。
ここでひとつ、
群れを作品として切り取るために
僕が意識している事をあげるなら、
「全ての魚の動きがつながった瞬間にシャッターを切る」
ということでしょうか。
「全ての魚が同じ方向を向いている」
写真はまとまりが良いですし、
群れを撮る時のひとつのセオリーですが、
たとえ方向がバラバラでも
そこにつながりを感じられれば作品になる
というのが僕の感覚です。
※粟国ではなく名護湾の小さなアジたち
(Nikon D750 + NIKKOR 14-24mm +INON Z-240×2 1/200秒 f13 ISO500)
では、
最高の瞬間にシャッターを切るため
にすべきことは何かというと、
シャッターを切ること以外に
できるだけ神経を使わない
ということです。
僕は、
実際に群れにアプローチしていく前に、
カメラの設定をほぼ決めておきます。
群れと対峙してからあたふたしたくないですからね。
例えば、マニュアルで
SS:1/250秒
f値:11.0
ISO感度320
ストロボ:マニュアル フル発光
に固定、という感じです。
(もちろん天気や被写体によって変わります。)
で、撮影後すぐにモニターでチェックし、
基本的には「絞り」で明るさを微調整します。
もちろん、
全体が暗かったらISO感度を上げても良いですし、
魚が白飛びしていたら
ストロボの光量を小さくしても構いません。
ただ、操作として
絞りの変更が最も簡単に行えるので、
僕は「絞り」の調整だけで逃げ切ることが多いという事です。
ちなみに、
できるだけ大きく露出を外さないために、
エントリー直後にその辺の岩や魚を撮りながらチェックはしますが、
それでも条件によっては
露出アンダーやオーバーに振れてしまうこともあります。
その時はその時で、
頑張って編集で引っ張りましょうね。笑
とは言っても、
僕のやり方はある程度経験に依存しますし、
多くの人にとっては、ISO感度をオートにするなど、
ある程度はカメラに設定を任せた方が現実的なのかもしれません。
大切なのは、
完璧な設定で撮影する事ではなく、
最高の瞬間にシャッターを切る事です。
もちろんストロボだって、TTL自動調光という選択肢もあります。
ストロボのマニュアル発光/TTL自動調光についてはこちらの記事で解説していますので、
宜しければご覧ください。
(参照:水中ストロボはマニュアル発光かTTL自動調光か)
せっかくですので、
ストロボによるライティング
についても少し触れておきます。
この写真で使われているライティング機材は、
「INON S-2000」×2灯です。
(Nikon D7000 + TOKINA AT-X107 +INON S-2000×2 1/200秒 f9.0 ISO100)
ガイドナンバー20ですので、
市販されている外付けストロボの中では、
発光量は小さい部類に入ります。
一般的には、
群れの撮影には大光量のストロボが適している
と考えられていますし、僕もそう思っていました。
でも、S-2000でもけっこう撮れます。
確かに
「光量がたりないなあ」
と感じることはあるのですが、
その分、
「安心してフル発光に固定できる」
という手軽さがあるんですよね。
正直、ガイドナンバー24の「Z-240」を使っている時の方が気を遣います。
太陽を入れるため、群れを煽って撮影する
↓
アジの白銀のお腹にストロボ光があたる
↓
光量が大きすぎて、白飛びしてしまう
ということが、ままあります。
なので、もしかしたら多くの人にとって、
ガイドナンバー20クラスのストロボの方が群れの撮影でも使いやすいのかもしれません。
ただ、群れを撮る時にZ-240を使わないと、
じゃあガイドナンバーの大きいストロボっていつ使うの?
という話にもなってしまいますが。笑
ライティングは奥が深いですね。
どのストロボを使っていても一緒ですが、
・長めのアームを用意して、ストロボとレンズをできるだけ離す
(マリンスノーの映り込み防止)
・アームの角度を調整して、ストロボがレンズより前に来ないようにする
(ストロボ光の直接の写り込み防止)
・ストロボを被写体の方向に向ける
(とりあえず真正面に向けておいて、当たり方によって微調整をかける)
という基本を忠実におさえれば、それだけで写真のクオリティは上がります。
ただ、これらを実践しても、
ストロボの光が被写体まで届かなければ意味がありませんので、
「さわれるくらいの距離まで寄る」
ということも重要ですね。
今日は、
魚の群れを作品として切り取るために、
事前にカメラやストロボの設定・調整はある程度終わらせ、
群れと対峙したら最高の瞬間にシャッターを切ることだけに集中する
という僕なりの心構えを紹介させていただきました。
少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。
今日もここまで読んで下さりありがとうございました!
(更新:2017.3.30)
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