CanonR5MarkIIは水中用ミラーレス一眼の本命になりうるか

 

 

こんにちは、上出です。

先日、CanonからEOS R5 Mark IIが発表されました。

発売日は8月下旬、予約開始日は7月23日の午前10時です。

 

どんなカメラなのかはCanonのHPやYouTubeを見ればちゃんとわかるので、見てください。

水中写真を撮るためのカメラとしてどうなのか、という話はきっとどこにもないでしょうから、別に使命感というわけでもないですが、ここに書いておきます。

7/23に予約しないと、おそらく数ヶ月待ちとか半年待ちとかになり、中々手元に届かないと思います。

なので、ひとまず出ている情報を元に、水中用として買っていいカメラなのかどうか書いてみようかなと。

僕は実機を触ってないので、あくまでスペックから読み取れる程度の情報だと思ってください。

それから、僕は動画は撮らないので、動画性能はわかりません。

ちなみに僕はどんなスペック・値段だろうと買うと決めてたので、買います。

 

細かい話まで書いているときりがないので、僕が気になったところ、水中使用という前提で大事だと思うところだけ書きますね。

とはいえいきなりR5どうこうと言ってもピンと来ない方もいると思うので、僕が考える2024年現在のミラーレス一眼選びの全体像にちょっとだけ触れます。

 

フルサイズのミラーレス一眼というとCanon・Nikon・SONYの3社が思い浮かびますね。

僕は一眼レフはNikonを使ってきましたが、ミラーレス一眼はCanonに切り替え中です。

なぜかというと、Canonのオートフォーカスが一番速いと思っているからです。以上。

細かい話は以前どこかで書いた気がしますが、どこに書いたか忘れました。ごめんなさい。

SONYのカメラはほとんど使ったことがありませんし、よくわからないので、ここでは触れません(SONYのカメラが悪いというわけではないですよ)。

Nikonは、もし自分が今Nikonのミラーレス一眼をどれか選べと言われたらZ8を選ぶでしょうから、Z8をなんとなく対抗馬?として頭の片隅におきながら書いてみます。

(ちなみにZ8とD850のどちらかを選べと言われれば僕はD850を選びます。)

Canonだと、現在最も使っている方が多いのがR5、次がR6markⅡという感じでしょうか。ここは明確な比較対象ですね。

 

R6markⅡ RF14-35mm F4 L IS USM f16 1/400sec ISO1600

 

■バッテリー

 

R5markⅡでは新たなバッテリーが採用されているという話はまあそれはそれでいいとして、どれくらい電池が持つのか?が水中撮影用としてはとっても重要です。

最初に書きたくなるくらい大事だし、僕が今でも水中で一眼レフを使っているのは、ミラーレス一眼の電池の持ちがレフ機に比べて悪いからです。

それぞれのカメラの撮影可能枚数(電池のもち)をメーカーHPから抜粋したので、参考にしてみてください。

ちなみに、ここに書いてる枚数は特殊なテスト下でのデータらしいので、実際にこれしか撮れないという意味ではありません。

 

【R5markⅡ】

[省電力優先]設定時

約340枚(ファインダー撮影時)

約630枚(モニター撮影時)

 

【R5】

[省電力優先]設定時

約320枚(ファインダー撮影時)

約490枚(モニター撮影時)

 

【R6markⅡ】

[省電力優先]設定時

約450枚(ファインダー撮影時)

約760枚(モニター撮影時)

 

【Z8】

モニターモード[ファインダーのみ]時:約340コマ

モニターモード[モニターのみ]時:約370コマ

 

R5markⅡは、R5よりは電池のもちが良くなったようですが、データだけ見ると、大きくは改善していません。正直、これが一番残念でした。

実際に使ってみないとわかりませんが、少なくとも60分3本潜ってマクロを撮ったら、電池は持たないと思います。

2本潜って電池変えるの嫌だな。

ちなみに、データ上はR5markⅡとZ8は同じくらいですね。

R6markⅡだけが群を抜いて電池の持ちがいいことが、データからもわかります。

僕も最近R6markⅡを水中でも使い始めましたが、ワイドは3本持ちますし、マクロでも3本持ちそうだなという印象です。

 

とはいえ、やっぱり使ってみないとわからないし、人によって(撮り方によって)感じ方も変わってくると思います。

途中で電池変えたくないな…という方は、R5markⅡよりもR6markⅡを選んだ方がいいかもしれませんね。

 

■オートフォーカス(AF)

 

新開発の裏面照射積層フルサイズCMOSセンサー、映像エンジンDIGIC Xに加え、瞬時に解析処理を行うもう一つの映像エンジン、DIGIC Acceleratorを搭載…

とHPには色々書いてありますが、「AFが進化した」ということでここではまとめておきましょう(AFだけの話じゃないけど)。

R6markⅡのAFがすでにかなりいい感じでした。

そこからセンサーも画像処理エンジンも刷新されているので、R6markⅡから大きく進化していると考えるのが妥当ですかね。

少なくとも、R5のAFと比べたら全くの別物でしょう。

 

言い方を変えれば、AFの進化がR5markⅡのキモでもあるでしょうから、明らかに良くなってないと困ります。

とはいえ、AFは自分の撮り方との相性とかもあるので、やはり実際に使ってみないとわからないんですけどね。

水中で小さな泳ぎ回る生き物を撮るって、特殊な環境&撮り方ですし。

 

それから一つ、余談というか、ぼやきを。

AFは進化はしたんだろうけど、それはどちらかというと被写体認識とかトラッキングとかの話で、縦線検知だけのセンサーから変わらなかったというのは残念です。

同時に発表されたR1にはクロスセンサーが採用されました。これだと横線検知もできます。

R5にもクロスセンサーが欲しかったけど、そんなことしたらR1の存在理由も薄れてしまうでしょうから、仕方ないですね。

 

■画素数

 

R5markⅡの画素数は4500万画素で、R5と同じでしたね。

個人的には、妥当なのかなと思います。

画素数って実際どれくらい必要なの?という話は2年前にこちらの記事で解説しましたので、興味があればどうぞ↓

水中写真に必要な画素数を考える ~写真展・印刷・SNSなど~

 

R6markⅡは2420万画素です。

趣味で水中写真を撮っている方にとっては、十分かつちょうどいい画素数だと思います。

ちなみにR6markⅡのHPには、こんな記載があります↓

新シャープネス処理で、EOS 5D Mark IV(約3040万画素)を凌ぐ解像性能を達成しています。

使う前は「そんなことないだろ〜」と思っていましたが(Canonの方ごめんなさい)、実際に使ってみると、「確かに」と感じました。言葉で説明するのは難しいのですが。

なので、あんまりトリミングしないワイドはR6markⅡもいいかな、と最近思っています。

 

じゃあ4500万画素クラスの高画素機が必要ないかというと、全くそんなことはありません。

マクロはばっさりトリミングすることもあるので、これくらいの画素数があった方がトリミングの自由度が上がるんですね。

半分に切っても2000万画素残るので、写真展でも使えます。

それと、最近やっぱり思うのですが、写真って基本的には趣味ですし、そもそも「必要かどうか」で決めるものでもないよな、と。

プリントすることを考えても2400万画素あればいけるけど、ハゼの目元のギラギラの模様を拡大して見るときなんか、やっぱり4500万画素の方が「おおー!」ってなるじゃないですか(2年前も同じこと書いてた…)。

肉眼では見えないものが見える、というのは写真の(特にマクロ撮影の)ひとつの価値ですし、それがより楽しめるという意味でも、高画素機の良さはあると思います。

 

■ストロボ同調速度

 

予想外の喜びポイントです。R5markⅡのHPに以下の記載がありました↓

ストロボ同調時に高速撮影ができる「同調速度優先」を新たに搭載※1。電子先幕で1/320秒※2の撮影が可能です。

僕がCanonのカメラに抱いていた密かな不満は、基準感度がISO100という点でした。

Nikonのカメラは、ISO64が基準になっていることが多いです。

ワイド撮影時はどっちでもいいのですが、マクロ撮影時、僕は自然光を入れずにストロボ光で撮ります。

つまり、できるだけISO感度は低くしたいんですね。なので、Nikonの方が都合がよかった。

(減感もできるけど、できれば画質のいい基準感度で撮りたい。)

 

R5markⅡも基準感度はISO100で、それは変わりません。

ただ、シャッタースピードを速くできることで、自然光をカットしやすくなります。

細かい説明は省きますが、1/320秒・ISO100で撮影できるということは、1/250秒・ISO80で撮影するのと同じです。

ちょっとしたことではありますが、自然光嫌いの僕にとっては大きな改善点ですね。

ハウジングやストロボとの組み合わせで水中撮影では使えない、ということがないといいのですが。

 

■ハウジング

 

nauticamからR5markⅡ用のハウジングが発売されるでしょう。

自分がnauticamのアンバサダーだからということでもなく、単純にnauticamのハウジングが一番いいと思っているので、nauticamのハウジングを買えばいいと思います(安いとは言ってない)。

 

実は最近感動したことがありまして。

陸用で使っていたR6markⅡを水中でも使ってみたくて、メーカーさん(代理店さん)からお借りしたんです。

そしたらそしたら、めちゃ小さくて軽くて、驚きました。

調べてみたら、R5のハウジングに比べて、約1kgも軽くなってるんですね(しかも値段は9万円安い)。

元々のカメラが軽いこともあって、めちゃ楽です。

気に入りすぎて、買おうかなと思ったりもしています。

 

個人的にはR5markⅡのハウジングもこのサイズ感で出たらいいなと思っています。

が、R6markⅡのハウジングよりは大きくなりそうだな、とも思ったり。

どんなハウジングであれ買うしかないので、小さくて軽くて安くて使いやすい最高のハウジングが早めに発売されることを祈るしかないですね。

 

R5  RF100mm F2.8 L MACRO IS USM   f5 1/250sec ISO100

(多羅尾さんから貸してもらったR5で撮影した思い出の一枚)

 

■まとめ

 

ひとまず、最低限触れるべき話題には触れられた気がします。

R5markⅡのことを書くつもりが、半分くらいR6markⅡのことを書いてしまいましたね。

 

R5markⅡの価格は、Canonオンラインショップで654,500円(税込)円、価格ドットコムで探せば60万円を切るくらいで出てくるでしょうか。

自分にとっては仕事道具ですし、最初から買うと決めていたので、高いとか安いとか考えるのをやめました。

一方でR6markⅡの実勢価格は32万円くらいです。

R5markⅡと25万円以上の開きがあります。

それでいて、電池の持ちがいいという圧倒的な優位性があります。

個人的には、R5markⅡが登場したことで、R6markⅡの存在が際立ったようにも感じています。

 

R5markⅡが実際に出てみないとAFの挙動などなどわかりませんし、ハウジングの大きさ重さ価格もわかりません。

高画素機にこだわりがある方、予算に余裕がある方、買うなら早く買いたいという方は7/23に予約してもいいと思いますが、個人的な印象としては、「R5markⅡがついに出たね!みんな予約開始日に予約しよう!」という感じでもありません。

むしろ、「やっぱりR6markⅡってありじゃない?」と、今思っています。

少なくとも、型落ちで安くなったR5を買うよりは、R6markⅡを買った方が満足度は高いのではないでしょうか。

 

僕自身は、買うと決めているので買うというのもありますが、高画素機が必要なのでR5markⅡを買います。

ただ、水中用としてR5markⅡを2台で運用するのか、R5markⅡとR6markⅡを1台ずつにするのかは、ちょっと迷い中です。

 

すでにR5が水中で多くの人に使われていることを考えれば、R5markⅡも来年には水中撮影用ミラーレス一眼の本命になっていることでしょう。

でも、R6markⅡもかなり有力な選択肢ですよ、というのが今日の話でした。

私はNikon派!という方はZ8なのかなと思いますが、Z6Ⅲも出たようですし、どうなんでしょうね。

 

元々水中で大きなカメラを使う方が少ないので触れませんでしたが、予算もパワーもあるという方には、R1が最高だと思いますよ。僕は買いませんが。泳ぐ自信ないし、マクロで煽りにくいし。

 

R5markⅡが手元に届いて実際に使い始めて、何か思うことがあれば、また書きますね。

結局カメラの良し悪しってスペックだけ見ててもわかりませんし、R5markⅡも、使ってみたら感動&あんまりポイントがいくつも見つかる気がしています。

もし記事があがってこなかったら、会ったときにでも聞いてください。

それでは、今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。

少しでも参考になれば嬉しいです!

 

 

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