こんにちは、上出です。
先日水中でCanonのミラーレス一眼「R5」を使う機会がありましたので、今日はその感想を書いてみようかと思います。
早速内容に入ります。
■経緯
先週石垣島のネイチャーさんで潜っていました。
話の流れでオーナーガイドの多羅尾さんから「よかったら上出さん、R5使ってみます?」とご提案いただき、ありがたくお借りしたというだけです。
なので、深い意味はありません。
(ミラーレス一眼を買うならCanonにしようとは思っていましたが。)
せっかくなら前日にD850で撮影した被写体を再度撮ってみようということで、カクレクマノミをD850とR5で撮り比べました。
とはいえ、現場では記事にしようと思っていなかったので、普通に楽しく撮影しちゃったんですよね。
なので、正確に何かを検証したわけではありません。
これまで3年くらい?4年?D850だけを使っていた僕が、久しぶりに水中で違うカメラを使った感想くらいにとらえてくださいませ。
■撮影機材・条件
【初日】
カメラ:Nikon D850
レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
ハウジング:nauticam
ストロボ:Z-330
ライト:RG BLUE SYSTEM01:re SUPER-NATURAL COLOR(ピント合わせの補助光として)
【2日目】
カメラ:Canon R5
レンズ:RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
ハウジング:INON
ストロボ:Z-330
水深:13m
天候:晴れ
※被写体は両日とも同じなのですが、2日目は狙っていた小さな子がなかなかイソギンチャクの中に入ってくれませんでした(大きい子に追い出されつつあった)。
なので結果的にR5の方が撮れ高は少ないのですが、これはカメラの違いというより状況の問題で、2日目はどのカメラでも苦戦していたと思います。
下の写真が唯一R5でまともに撮れたカットです↓
R5 100mm f5 1/250秒 ISO100
それでは、以下R5の感想です。
思い出せることを箇条書きにしていきます。
■ファインダー
・思っていたより見やすい。というか、とても見やすくて感動。
・一眼レフの光学ファインダーとは違うが違和感はない。
■AF(サーボ)
・思っていたよりも速い。
・動くスピードだけで言ったらD850+105㎜よりも速く感じる。
・予想外の動きをするので、AF自体は速いけどなかなか思ったところにピントを合わせられない(慣れの問題かと)。
・サーボだとフォーカス優先にできないのは不便(普段半押しをせずにシャッターを押し込んでピントが合ったら切れるという撮り方なので)。
・サーボで頑張って半押しして撮るも、やはりピントが合う前にシャッターが切れてしまうことが多い(ハウジングの問題も大きい)。
・ワンショットだとフォーカス優先にできるようなのでそっちの方が自分には合ってる?
・瞳AFにするとけっこう魚の目も見つけて追いかけていた。が、後で見たら自分にとってのジャスピン写真は1枚もなかった。
・開けた明るい環境だったので低照度でのAF精度は不明。
■シャッター
・ハウジングがINONだったので、シャッターレバーにバネ?が入っていない(アンティス等と一緒のタイプ)。
・nauticamのシャッターレバー(テンションがかかっている)に慣れているので、操作感の違いに戸惑った。
・シャッターの感覚はAFの感触と直結する話なので、R5をnauticamで使っていたら感想は変わるかもしれない。
・バネ無しタイプ?は久しぶりに使ったけど、慣れればこれはこれで使いやすいかも。
■ボケ
・前日のD850と同じ設定(f7.1)で撮ってみたらボケず
・そうかそうか、Canonは実行f値じゃないんだったと思いだす
・f5くらいでイメージに近くなる
・やはりNikonとCanonのマクロ撮影は、絞り一段分くらい違う印象(最短撮影距離付近の話)。
■撮影倍率
・RF100mm F2.8 L MACRO IS USMは最大撮影倍率が1.4倍(普通のマクロレンズは1倍)。
・あまり話題になっていない気がするがこれは凄いことだと思う。
・ついつい寄りすぎて被写体が大きく写りすぎることも(最短まで寄る癖がついてるから)。
・SMC-1を使うか迷っていたような場面では100㎜だけでいけちゃうかも?
■解像感
・AF-S VR Micro-Nikkor 105mmよりRF100mm F2.8 L MACROの方が描写力が高いだろうと思っていたけど、中心付近はそれほど変わらない印象(RF100㎜の方が若干高いかなくらい)。
・今回は試せなかったが、中心以外にピント面が来た場合には差が出るのではないだろうか(AF-S VR Micro-Nikkor 105mmは中心付近から外れると一気に解像感なくなる)。
・色収差(フリンジ)はRF100mm F2.8 L MACROの方がだいぶ出にくく良い感じ(AF-S VR Micro-Nikkor 105mmはフリンジ盛大に出る)。
■色
・Canonは色がこってりしている印象だったけど、Nikonとあまり変わらなかった(RAW現像前提なのでJPEGの味付けはわからない)。
・LightroomでNikonのデータと同じ感覚で現像できてびつくり。
・ワイドは(青は)違いを感じるのかもしれない
■電池
・1本はもつ
・2本はもつと思うけど、僕みたいにシャッターを切りまくる場合は持たないかも
・3本はもたない
・カメラの設定しだいで電池のもちはけっこう変わるのでは
■その他気づいた点
・ファインダーで再生できるのは便利(カクレクマノミではあまり感じないけどヤシャハゼとかでは如実に感じそう)。
・Canonの操作に戸惑うかと思っていたけど意外とわかりやすかった(多羅尾さんが丁寧に操作方法を教えてくれたお陰)。
・瞳AFが魚の目について行くのを見たときに自分だけ時代から取り残されているような気がした。
・やっぱり慣れてない撮影機材では撮れない。
D850 105mm f7.1 1/250秒 ISO64
■総評
よくできたカメラだなあ、というのが率直な感想です。
特に、ファインダーの見やすさとAFの速さには感動しました。
ピントはなかなか狙ったところに合わせられませんでしたが、これは慣れの問題だと思います。
AFの設定を自分好みに追いこんで、1週間くらい使い込めば、R5のAFは十分仕事で使えるレベルだと感じました。
それくらい使ってみて初めて「D850と比べてどうこう」ということが言えるので、現時点で優劣は判断できないのですが。
(低照度のAFはD850が抜群に優秀なので、ミラーレスに不安はある。)
AFの話でいうと、サーボ(NikonのAF-C)でピント(フォーカス)優先にできないのは困りました。
レフ機の5DmarkⅣなどではサーボでピント優先にもできるそうなので、なんでこうなってるんでしょうか…
親指AFを使えばOKなのでしょうが、これまで親指は遊んでいたので、親指君が急に動ける気もしません(それくらい頑張れよとも思う)。
シャッターボタンを押し込んでピントが合ったらシャッターが切れる、つまり半押しもしないし親指も使わない僕の撮り方は、おそらく邪道なのでしょう…
電池が3本もたないのは、全くもって困っちゃいますね。
水中使用はニッチな領域なのでしょうが、もう少し電池は改良して欲しいです。
やはりできれば一日ハウジングは開けたくないです。
というわけで、R5で撮影していてとっても楽しかったですし、いいカメラだなと思いました。
周囲からは「新しいおもちゃを渡された子供みたいですね」と言われました。笑
R5の後継機が出たら買うかもしれません。
・電池が3本もつようになって
・サーボでピント優先に設定できるようになって(きっとならないだろうな)
・ラインセンサーがクロスセンサーになって(今回は触れてないけど)
いたら、R5markⅡ?買います(値段にもよるけど…)。
それでは今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。
そしてご厚意でR5を貸してくださった多羅尾さん、どうもありがとうございました。
少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです!
写真集&写真展情報
- 写真集「陽だまり」(2022年6月1日発売)
判型:A4変形 ハードカバー
頁数:112P
収録作品:94点
印刷・製本:八紘美術
こちらからご予約・ご購入いただけます↓
- 写真展 「陽だまり レンズ越しに見つめた10mmの海」(入館無料・会期中無休)
【東京展】終了
会場:富士フイルムフォトサロン 東京 スペース3(東京ミッドタウン・ウェスト1F)
会期:2022年6月3日(金)~6月23日(木)
時間:10:00-19:00(最終日は16:00まで、入館は終了10分前まで)
在廊予定日:6/3-14,6/20-23
※6/15-19は不在となります
【大阪展】
会場:富士フイルムフォトサロン 大阪 ホワイエ
会期:2022年10月7日(金)~10月20日(木)
時間:10:00-19:00(10/13,20は14:00まで、入館は終了10分前まで)
在廊予定日:できるだけ毎日いようと思っています
写真展の詳細は、こちらのwebサイトからご覧ください↓