「作品」としての水中写真を撮るために必要なこと ~OM-D「E-M5 Mark II」のパフォーマンスを100%引き出す!~

こんにちは、上出です。

今日は、

「作品」としての水中写真を撮るためには
どのようなステップを踏めば良いのか?

について、

先日開催したプライベートフォトセミナーからの
学びを交えてお話ししていきます。

 

また今回は、
ご参加いただいたCAMERONさんのご厚意で、

ご参加前にお送りいただいたお写真と
セミナー中に撮影していただいたお写真を、
この記事内で使用してOKとの許可をいただきました。

 

CAMERONの撮影機材は、以下の通りです↓

・OM-D E-M5 Mark II
・M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
・M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
・ノーティカム ハウジング NA-EM5Ⅱ
・UFL-3 ストロボ 2灯

 

ある意味、ミラーレス一眼(マイクロフォーサーズ)で
水中写真を撮ろうと思ったらこれ以上ないというセットですね。

これまでこのブログではOM-Dシリーズの作例を
紹介できる機会もほとんどありませんでしたし、

「何を改善すれば作品と呼べる写真が撮れるようになるのか?」

を、作例を交えながら解説できる
というのは本当にありがたいです。

その方が読者の皆様にとってもわかりやすいですからね。

CAMERONさん、
作例とコメントのご提供ありがとうございました!

 

それではまず、
セミナーで改善すべき課題を見つけるために
事前に送っていただいたお写真がこちらです↓

(全ては紹介しきれないので、象徴的なものを選びました。)


①f5.6  SS1/60  ISO200

 


②f8  SS1/125  ISO200

 


③f5.0  SS1/50  ISO200

 

どうでしょうか?

正直僕は、

「けっこう良いじゃん!」

と思いました。

 

ピントも合ってるし
ストロボの光も当たってるし、
可愛さや臨場感も伝わってくるし…

という事で、
基本的なことはできています。

ただ、気になる点がいくつかあったので
深堀しながら色々と伺ってみたところ、
以下の課題が見つかりました。

 

課題①
絞り(f値)、シャッタースピード(SS)、ISO感度については、
カメラに任せていてそれぞれの役割を理解していない

課題②
フォーカスポイント(ピントを合わせるための小さな四角)
を真ん中から動かしたことがないため、日の丸構図になりがち

 

構図については、
特にマクロの写真を見ればわかると思いますので
一旦置いておくとして…

先ほどの写真をさらに良くするためには
絞り・SS・ISO感度をどのように設定すれば良いのでしょうか?

 

例えば僕だったら…

写真①
絞りをf2.8に設定して魚以外の要素をぼかし画面を整理する。

写真③
f8~11、SS1/125~SS1/250、ISO400~800
に設定して画面全体をシャープに描写する。

という感じでしょうか。

もちろんこれが答えというわけではありませんが、

描写・表現の仕方を自分でコントロールできる

というのは、次のステップに進むうえで必要不可欠です。

 

ちなみに、先ほどの課題を言い換えると、

課題①
カメラ・写真の基本を理解する

課題②
自分のカメラを使いこなす

ということになります。

 

これ、自宅にいながらクリアできる課題ですよね?

 

ではここで、
CAMERONさんから寄せていただいたコメントをご覧ください。

この先彼女がどのように課題に取り組んでいったのか、
とてもわかりやすくまとめていただきました。

 


フォトセミナーの始まる前から、丁寧に指導して頂き、
とても実りのあるフォトセミナーになりました。

有難うございます。

今回、数あるフォトセミナーから、
上出さんの主催されるフォトセミナーを選んだのは

・プライベートでじっくり撮影に取り組める
・事前に問題点を相談・検討し、それにむけて陸上での準備・練習について指導して頂ける事
・上出さんの写真やブログに感銘出来た

私は、今まで水中モードでしか撮影をした事がなく、
何をどうしたら”作品”としての写真をとれるのか、
全くわかりませんでした。

そんな時、上出さんのフォトセミナーの事を知り、
”ここで何か変わりたい”と思い、参加を決めました。

事前の打ち合わせで、
今まで自分でも気が付かなかった問題点やクセなどをご指摘頂き、
私のイメージが膨らむように、改善点を一緒に考えて頂けたのもよかったです。

たださすがに、上出さんから、
”マニュアルで撮ってみましょう”と提案された時は、
不安いっぱいでした…絶対無理と思いました(笑)

でも、具体的なアドバイスと、励ましの言葉を頂き、
フォトセミナーまで、陸上でマニュアル撮影の練習を重ねました。

時には近所の公園、時には自宅で
ハウジングにカメラ・ストロボをセッティングし…。

そんな事前の準備のおかげで、落ち着いて、
水中でも撮影に取り組めたと思います。

実際のフォトセミナーでは、
上出さんが水中でも丁寧に指導して下さるので、
とても充実して撮影出来ました。

セミナーの内容は企業秘密かもしれませんが、

・1ダイブ1作品というくらい、じっくりマイペースで撮影出来る

・被写体を自由に選ばせてくれ、時間を気にせず、撮影出来る

・上出さんが、さりげなく、撮影ポジション・撮影内容まで、細かくチェックしてくれている
→当然、ダメ出しも沢山あります。
なかなかOKをもらえませんが、もらえた時は、やった!と言う感じ。

・撮影した写真を、水中でチェック、すぐに改善点を指導してくれる

・もちろん、陸上でも、細部にわたり指導

 

砂地での撮影で、

上出さん:もっと煽って!

私:(心の中で)もっと煽ってって・・・砂地なんですけど?
どうやって煽るんだよー?!という疑いの目

上出さん:私のカメラを手に、砂地に潜るくらいの煽りかたを実践して見せてくれました

 

フォトセミナーに参加して、明らかに私の写真に変化があったと思います。

・状況に応じて、カメラの設定を考えれるようになった(F値、シャッタースピード、ISO)

・マニュアル撮影への苦手意識がなくなり、面白いと思える様になった

・煽り・・・これでもかと言う位、煽るんですね

・ワンパターンな構図から、フォーカスポイントを動かし、奥行きを出す

・自分の写真に、自信が持てる様になった

・背景を探し、意識することに気付いた

今後、今回のフォトセミナーで学んだ事を、
更に自分に落とし込んでいけるよう、
練習を重ねたいと思います。

上出さん、本当に有難うございました。

次回、もっと成長した作品を撮り、
上出さんを唸らせてみせますから!


 

CAMERONさん、
臨場感あふれる文章ありがとうございました。

砂地での「疑いの目」、怖かったです。笑

今回のセミナーは、
ビーチダイビング1日、ボートダイビング2日
という余裕のある日程を組めたのも良かったですね。

前回同様、ボートダイビングでは
名護市のダイビングサービス「うみてんぐ」
さんの船に乗らせていただきました。

いつもフォトセミナーのサポートをしていただき、感謝です。

 

さて、それでは早速
CAMERONさんの作例を紹介しましょう。

 


★f8  SS1/250  ISO400

ある程度絞って、SSも早く設定したので、
一匹一匹の魚もシャープに描写できていますね。

しっかり寄れているので、
群れの存在感も出ていますし、
ストロボの光も綺麗に回っています。

僕は普段ストロボのTTL調光は使いませんが、
オリンパスカメラ+オリンパスストロボの
TTLの調光精度は結構レベルが高いのかもしれません…

CAMERONさんの他のワイド写真を見ても、
TTLで問題なくライティングが決まっていました。

 


★f8  SS1/250  ISO400

CAMERONさんは元々ヘラヤガラが好きなようです。笑

僕の感性では撮れない作品で、面白いです。

太陽の入れ方も絶妙ですね。

 


★f4.5  SS1/200  ISO200

ボケの表現を適度に入れて、
柔らかい雰囲気に仕上げてくださいました。

僕も自分で撮影したいと思うような、
最高のシチュエーションでしたね。

空間の使い方も良い感じです。

 


★f2.8  1/200  ISO200

なんだか、僕が撮った写真みたいですね。笑

味気ない背景でしたが、
絞り開放でうまく画面の中を整理し
主役を浮かび上がらせています。

ちなみに、
僕自身はミラーレス一眼でマクロ撮影に臨む際には、
絞り開放のf2.8をどんどん使うべきだと思っています。

どうしても、
マイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼+60mmマクロ
だと、一眼レフのようにはボケません。

せっかく「一眼」を使っているなら
ボケの表現を有効活用した方が面白いです。

フルサイズ+105mmマクロだと
被写界深度が浅すぎて使いにくい開放f2.8ですが、

OM-Dシリーズでマクロ作品を撮っていくには、
積極的に試すべき選択肢と言えるでしょう。

 

さて、CAMERONさんのコメントにもあるように、
今回のフォトセミナーでは細かいことまで
突っ込んでアドバイスさせていただきましたが、

先にあげた2つの課題を事前にクリアできたことで、
沖縄で実際に潜って撮って学ぶ時間を有意義に使い、
大きな成長につなげることができたのだと思います。

 

課題①
絞り(f値)、シャッタースピード(SS)、ISO感度については、
カメラに任せていてそれぞれの役割を理解していない

課題②
フォーカスポイント(ピントを合わせるための小さな四角)
を真ん中から動かしたことがないため、日の丸構図になりがち

 

写真に関する知識を腹落ちさせて、
自分のカメラや撮影機材を使いこなす。

 

地味ですが、とても大事です。

このステップなくして、
継続的な成長は期待できません。

逆に、これさえしっかりできていれば、
あとは小さな工夫や発見を積み重ねるだけです。

面倒くさがらずに、カメラの説明書も読みましょうね。笑

水中写真に関する知識やコツについては、
これからもブログやメルマガでどんどん発信していきます。

最終的には、

陽だまりかくれんぼだけ読んでおけば
水中写真に関する知識の90%はカバーできる

くらいにしたいですね!

 

それでは、今日もここまで
読んで下さりありがとうございました。

少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです!

参照:プライベートフォトセミナーのご案内

 

ps.

CAMERONさんは、日本人です。
ヒョウ柄のウエットスーツを着た、関西人です。

僕が勝手にあだ名をつけたんじゃないですよ。
お友達の間ではそう呼ばれているそうです。

(更新:2017.6.19)

 

 

 

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