水中写真の絞りとボケをコントロールする ~ワイドはカリッと、マクロはフワッと~

この記事は6分で読めます


 

こんにちは、上出です。

 

今日は、

 

水中写真で「ボケ」をコントロールするためには、

「絞り」をどのように調整したら良いのか?

 

について紹介します。

 

 

最初に、「絞り」について

極々簡単に解説しておきますね。

 

※「絞り」や「露出」に関する考え方は

一眼レフでもコンデジでも同じですが、

コンデジの場合はオートモードしかなく

細かい設定ができない場合があります。

 

 

 

デジタルカメラを使っていると、

シャッターボタンを押せばすぐ

撮った写真が液晶画面に写し出されるので、

 

自分のカメラがどうやって

目の前の景色を写真という形に変換しているのか?

 

なんてイチイチ考えることはないと思います。

 

 

この時、カメラの内部で実際に

何が行われているのかというと、

 

レンズ → 絞り羽(穴) → 撮像素子(センサー)

 

という流れで光が取り込まれ、

センサーで受けた光の情報がカメラ内部で処理され、

最終的に「写真」として記録・表示されています。

 

 

そして

 

「絞りを調整する」

 

というのは、

 

「絞り羽の開き具合を調整する」

 

ということ、つまり

 

「光を通す穴の大きさを調整する」

 

ということです。

 

 

光を通す穴の大きさを変えると、

記録される写真に2つの影響が出ます。

 

 

写真の明るさが変わる

 

当然、穴を大きく開ければ

センサーにたくさん光が届き、

写真も明るくなります。

 

この写真の明るさの事を「露出」と呼ぶわけですが、

今日のテーマからは外れてしまいますので、

お時間のある時にNikonの解説ページをご覧ください↓

 

参照:Nikon公式HP「露出を決定するシャッタースピードと絞り値」

 

 

ボケ具合が変わる

 

今日詳しく見ていきたいのはこちらです。

 

ちゃんとした言葉で言うと、

 

絞りを変えると

ピントの合って見える範囲=被写界深度

が変わる

 

となります。

 

ただ、これに関して0から解説すると、

水中写真への応用に辿り着く前に

僕が力尽きてしまいそうですので…

 

やはりここの解説もNikonさんに譲ります。笑

 

参照:Nikon公式HP「絞り値(F値)」

 

 

ざっくり言えば、

 

「f2.8」みたいに絞りの数字が小さければ

ピントの合う範囲が浅くなってボケが大きくなるし、

 

「f16」みたいに数字が大きければ

ピントの合う範囲が深くなってボケにくくなる、

 

という事です。

 

 

では、早速ここからは、

水中写真への応用に入っていきましょう。

 

 

 

水中ワイド

 

(D7000 + Tokina AT-X107  f11 1/250秒 ISO200)

 

 

水中ワイドに関しては、

 

できるだけ絞り込む

(f値を大きくする)

画面全体をシャープに描写する

(なるべくどこもボケさせない)

 

というシンプルな考え方で、

僕は良いと思っています。

 

だいたい、

f8-13あたりが目安でしょうか。

 

コンデジの場合はf5.6-8.0くらいの方が

シャープに写るのかもしれません。

 

(レンズの性能はf8前後がピーク

なんて言われ方もします。)

 

 

ちなみに、f値を大きくしすぎると、

被写界深度が深くなって画面全体が

シャープに写るかとお思いきや、

 

回折現象(小絞りボケ)」が発生して

解像度が下がってしまう事があります。

 

なので、僕もf16以上はあまり使いません。

 

 

ただ、この辺りの数字の目安は

撮影機材によって変わってきます。

 

例えば「Tokina AT-X107」は

f8だとカリっとした描写が得られない印象なので

僕はf9-13で撮影する事が多いです。

 

 

一方「AF-S Nikkor 14-24mm」は

陸上ならf5.6でも十分解像感がありますが、

 

レンズポートとの相性が悪く

水中だと画面の四隅が流れがちなので、

水中で使う際はf8-14あたりに設定します。

 

実際にはシャッタースピードやISO感度と

合わせて考える必要がありますが、

水中ワイドを撮る際にはとりあえずf8から

スタートすれば大きな失敗はしないはずです。

 

(D750 + AF-S Nikkor 14-24mm  f11 1/320秒 ISO2200)

 

 

 

水中マクロ

 

 

基本的には、「ボケ」を効果的に

使いやすいのは水中マクロだと思います。

 

例えば、今流行り(?)の

ふんわりマクロというのは、

 

一般的にはf2.8f4.5など、

絞り開放付近で撮影される事が多いです。

 

※Nikonのカメラでマクロレンズを使うと、

実効f値という少し変わったf値の表記になります。

ここではあまり気にしなくていいですが、

下の写真は一般的なf値表記(公称f値)

に直すとf3.5-4.5の間になるはずです。

 

(D750 + Nikkor 105mm MICRO f5.0 1/160秒 ISO160)

 

 

 

僕はよくこういう撮り方をします。

 

どちらかというと、女性的ですよね。

 

でも、海外ではこの作風は

あまり受け入れられないらしいです…

悲しいですね。笑

 

「迷ったら開放で!」

 

というのは日本だけで通じる

合言葉なのかもしれません。

 

(ごめんなさい、たぶん日本でも通じません。

そんなことを言っているのは僕だけです。笑)

 

 

 

話を戻しますが、

こういった写真を「絞り」という観点から解説すると、

 

できるだけ絞りを開ける

(f値を小さくする)

主題だけにピントが合うようにする

(他の部分はボカして主題を引き立たせる)

 

という考え方になります。

 

水中マクロに関しては、

これが正解というわけではなく、

ひとつの表現技法です。

 

 

ちなみに、一般的には

主役の向こう側(背景)をボカすことに意識が行きがちですが、

 

もちろん主役の手前にボケを使っても構いません。

 

(D750 + Nikkor 105mm MICRO f5.0 1/160秒 ISO160)

 

これは前ボケと呼ばれています。

(この写真は背景もボカしてますが…)

 

何だかさっきからボケボケうるさいですね。笑

 

 

前ボケは特別難しい技法ではありませんが、

明るい色の前ボケを作るのがコツです。

 

暗い色の前ボケを入れると、

うっかりゴミが写り込んでしまったような、

残念な印象になりがちです。笑

 

被写体と自分の間に何か明るい障害物がないか

気にする癖をつけると表現の幅が広がりますよ。

 

 

それから、

一点注意していただきたいのは、

同じf値でもカメラの規格によって

ボケ方が変わるという事です。

 

長くなるので細かい話は省きますが、

「同じ画角で撮影する」という前提で話せば、

 

センサーが大きければよくボケますし、

センサーが小さいとあまりボケません。

 

センサーのサイズ小さい順に並べると

 

コンデジ 

ミラーレス一眼(マイクロフォーサーズ)

一眼レフ(APS-C

一眼レフ(フルサイズ)

 

となります。

 

 

つまり、コンデジじゃなかなかボケません。

 

ミラーレス一眼にマクロレンズを

装着すればそこそこボケますが、

やはり一眼レフほどはぼけません。

 

この「ボケやすさ」を求めて、

 

コンデジからミラーレス一眼へ

ミラーレス一眼から一眼レフへ

 

とステップアップしていく方も多いです。

 

 

 

ここまで、水中マクロに関しては

 

f値を小さくして大きなボケを作る

 

という視点で解説してきました。

 

でももちろん、

 

f値を大きくしてできるだけボカさない

 

という表現技法だってありですし、

僕もそういうマクロ撮影をする事もあります。

 

 

ただ、

すでにだいぶ長くなってしまいましたので、

 

「ボケ」をコントロールし

思い通りの背景を作るための考え方

 

については、

次回さらに掘り下げて解説したいと思います。

 

 

今日はここまで、

 

・水中ワイド撮影時はf値を大きめに設定し、

画面全体をシャープに描写するのが基本

 

・f値は大きくしすぎると(絞り込みすぎると)

小絞りボケを起こし解像感が失われることがある

 

・ふんわりマクロを狙う際は、

f値を2.8-4.5の解放付近に設定し、

主役以外を大胆にボカすと効果的

 

というお話をさせていただきました。

 

 

少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。

 

今日もここまで読んで下さりありがとうございました!

 

 

 

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    • アイランドK
    • 2017年 4月13日

    こんにちは。記事拝見させて頂きました。
    大変参考になりました。ありがとうございます。
    最近、ミラーレスデビューして海の中を撮影しています。
    また覗きにきます。

      • 上出 俊作
      • 2017年 4月15日

      こんにちは!

      コメントありがとうございます。
      記事が参考になったようで嬉しいです。

      ミラーレスデビューおめでとうございます(^^)
      いつかアイランドKさんの素敵な作品も見せて下さいね。

      今後とも宜しくお願いいたします!

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管理人 ; 上出 俊作 (水中写真家)

沖縄本島を拠点に活動している水中写真家です。

これまで、写真集の出版や写真展の開催などを通して、海の魅力を伝えるべく水中写真家として活動してきました。

撮影スタイルという程でもないですが「日常を切り取る」という事が僕にとっての大事なテーマです。

珍しい生き物を追いかけ回したりせず、水中の生き物たちとかくれんぼやにらめっこをして遊びながら、のんびりと撮影しています。

「水中写真を通して共に成長し合える仲間と出会い、一緒に豊かな人生を歩んで行きたい。」

そんな思いから生まれたのが、このブログです。

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