水中ワイド撮影で失敗しないカメラ設定とは? ~沖縄本島万座ホーシュー北/カマストガリザメ撮影記~

この記事は7分で読めます


 

こんにちは、上出です。

 

久しぶりのブログ更新となってしまいました。

 

楽しみに待っていてくれた皆さん、ごめんなさい。

 

 

最近は、サメ撮影に明け暮れていました。

 

寝ても覚めてもサメの事を考えていたので、

青空を飛び交う飛行機までサメに見えていました。

 

f11 1/250秒 ISO400

 

 

というわけで今日は、

そんなサメの撮影を振り返りながら、

 

一度きりのチャンスをモノにするためのカメラ設定

 

について、僕なりの考え方を紹介していきます。

 

 

 

と、その前に

 

「沖縄本島でサメなんて見られるの?」

 

という方も多いかと思いますので、

どんな状況で撮影していたのか簡単に紹介します。

 

 

 

今回の撮影ポイントは、恩納村の万座です。

 

有名な観光地、万座毛のすぐ近くですね。

 

 

以前、僕の両親が沖縄旅行に来た際、

ドライブをしながら万座毛まで足を延ばしたのですが、

 

母は

 

「ここがマンザゲねー!」

 

と喜んでいました。

 

 

違います。

 

マンザモウです。

 

 

 

 

この万座には、カマストガリザメという鮫が住んでいます。

 

メジロザメの仲間なので、Theサメって感じですね。

 

 

僕が初めてこのサメを見たのは2年前、2015年の夏です。

 

それから2015年、2016年と撮影を試みていましたが、

なかなか至近距離で撮影できていませんでした。

 

 

夏になると岸に寄ってくると言わている彼ら…

 

7月に入るとどこからともなく

 

「最近サメ、いい感じらしいよ。」

 

という声が聞こえてきます。

 

 

「今年ももうそんな季節かー」

 

なんてすかして言いながら、

 

「今年こそは絶対に撮ってやる…」

 

と、この夏、

僕は静かな闘志を燃やしていたのでした。

 

 

 

カマストガリザメは、見た目以上に臆病です。

 

なので、なかなか近寄ることができません。

 

 

撮影のチャンスは、

 

サメがこちらに気づかずにボーっと近寄ってきた瞬間か、

サメが捕食に夢中でダイバーなんか目に入っていない数分か、

 

どちらかです。

 

 

どちらにしても、

撮影のチャンスは1本の中で1回か2回あればいい方…

 

もちろん1時間待っても

全くシャッターを切れないこともあります。

 

 

数少ないシャッターチャンスでは、

 

「どの瞬間にシャッターを切るか」

 

に全神経を集中しているので、

カメラをいじくっている暇はありません。

 

そんな状況ですので、

一度きりのチャンスを逃さないために

ぬかりなくカメラの設定を整えておく

必要があるんですね。

 

今回の僕の撮影機材・基本設定は以下の通りです。

 

 

◆Nikon D750

◆AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

◆Z-240 × 2

 

◆撮影モード:マニュアル

◆絞り:f11

◆SS:1/250秒

◆ISO:400

◆ストロボ:マニュアルフル発光(GN24)

 

 

もちろんこれが正解というわけではなく、

今回僕なりに判断したひとつの基準です。

 

焦らず一つずつ見ていきましょう。

 

 

 

■Nikon D750

 

一眼レフは別に何でもいいです。

 

D810でもD7500でも良いし、

5DmarkⅣでもkissでも良いです。

 

大事なのはレンズですよね。

 

 

 

■AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

 

僕はこのレンズが好きなので、これを使います。

 

もちろんフィッシュアイでも良いでしょうし、

この辺は描写の(歪曲の)好みの問題でしょうか。

 

ちなみに、今回は超接近はできない事を想定して、

掲載している全ての写真を24mmで撮影しています。

 

(水中でズームはできますが、

撮影の瞬間に焦点距離を変える余裕はありません。)

 

 

 

■Z-240 × 2

 

接近が難しい被写体なので、

ガイドナンバー(光量)は大きい方が良いです。

 

とは言っても、

最高の一枚はやはり接近しないと撮れないですし、

INONならS-2000やD-2000でも十分勝負はできます。

 

 

 

■撮影モード:マニュアル

 

基本的にいつもマニュアルなので、

特別な理由はありません。

 

イルカ撮影の時はISO感度をオートに設定しますが、

それはストロボを使わないシンプルなシステムだからできることです。

 

想定される撮影状況(-15mでサメを横から撮影)

若干露出アンダーになるように、

絞り・SS・ISO感度を固定しておきます。

 

f11 1/250秒 ISO400

 

 

「若干露出アンダー」に設定しておくのは、

露出オーバーより露出アンダーのRAWデータの方が

編集(現像)で綺麗に仕上げやすいという事もありますが、

 

もう一つの理由は、

 

サメの動きによってはカメラを

水面方向に向けることがあるから

 

です。

 

この場合、

横から撮影する場合に比べて

多くの太陽光を取り込むため、

 

横から撮影する前提で適正露出に合わせていると

露出オーバーで派手に白飛びしてしまいます。

 

シャッターを切る直前に微調整できれば良いのですが、

現実的には、そんな余裕がないことがほとんどなんですよね…

 

f11 1/250秒 ISO400

 

 

 

■絞り:f11

 

レンズ自体はf8くらいでも十分解像感があるのですが、

ポートとの相性を考えて、四隅も流れないようにと思うと

これくらいの絞りに落ち着きます。

 

とはいっても、

四隅にしっかり描写したいものがある状況でもないので、

基本をf9くらいに設定しても良いのかもしれませんね。

 

 

ちなみに僕は、サメの撮影中は

絞りを変えて露出を微調整しています。

 

微調整する余裕もないことの方が多いですが、

例えば浅場を泳いでいるサメに下から接近していくときなどは、

露出オーバーにならないようにさらに絞り込みます。

 

f13 1/250秒 ISO400

 

 

この写真なんかは、

もう少し絞り込んでも良かったかもしれません。

 

感覚的に急いで絞りダイヤルを回したので、

自分ではf16くらいで撮っているつもりでした…笑

 

逆に、上から俯瞰して撮る時は、

少し絞りを開けてあげた方が良いはずです。

 

 

 

■SS(シャッタースピード):1/250秒

 

フラッシュ同調シャッタースピードの限界です。

 

フラッシュを使って撮影する場合は

これより早いSSにすることができませんよ、

 

ということですね。

 

カメラによってこの値は変わりますが、

だいたい1/200~1/320秒くらいなのではないでしょうか。

 

 

つまり、僕はできるだけSSを早くして撮影しています。

 

なんでSSを早くしたいかというと、

被写体ブレを起こしたくないからです。

 

一般的な水中ワイド写真の作例を見ていると、

1/60秒とか1/100秒とか、1/250秒よりも遅い

SSで撮影されている写真も良く見ます。

 

 

でも、サメの動きは早いです。

 

もちろんずっと高速で泳ぎ続けているわけではないですが、

捕食の瞬間やビックリした時などは「ビュッ」っと動きます。

 

1/100秒くらいだと、かなりの確率でブレてしまいます。

 

下の写真は1/200秒で撮影しましたが、

尾びれが微妙にブレてしまいました。

(普通に見てもわからない範囲だと思いますが…)

 

f11 1/200秒 ISO400

 

 

SSや絞りの感覚的には、

イルカの撮影に似ているかもしれません。

 

こちらの記事でイルカ撮影のカメラの設定に触れていますが、

イルカ撮影時のSSの基準は「1/250秒よりも早く」です。

 

場合によっては1/250秒でもブレることがあるので、

僕はイルカを撮るときは1/320秒に設定することが多いです。

 

 

ちなみに、

あえてSSを遅くしてわざと被写体ブレを作って、

躍動感を演出するという表現技法もあります。

 

僕はサメではまだ撮影に成功していないので、

台風が去ったら挑戦してみようかなと思います。

 

 

 

■ISO:400

 

この数字にこだわりはないです。

 

f11、SS1/250秒、ストロボフル発光とほぼ固定しているので、

ISO感度でバランスをとっているという感じでしょうか。

 

「水中ワイドを撮るときはISO400を基本にしている」

 

という写真家の方もいますよね。

青の抜け具合が良いそうです。

 

僕はまだ「抜けが良い」という実感がないので、

もう少し検証してみようかなと思います。

 

 

 

■ストロボ:マニュアルフル発光(GN24)

 

その場の状況に応じてストロボを調整する余裕はない

 

という前提にたつと、僕にとっては

マニュアルフル発光以外に選択肢がありません。

 

しっかりストロボを当てて

肌の質感を出すことの方が重要です。

 

・なかなか至近距離まで寄れない

・アジの仲間のように、光を反射する部分がない

・f値を絞り込んで撮影する

 

という条件ですので、

ストロボが被写体に強く当たりすぎて白飛びしてしまう

というリスクがほぼありません。

 

GN24とかGN20なら、迷わずフル発光で良いと思います。

 

 

f11 1/250秒 ISO400

 

 

 

さて、ここまで細かくカメラの設定を見てきました。

 

でも、当たり前の話ですが、

設定を完ぺきに整えたからといって

素晴らしい作品が撮れるわけではありません。

 

カメラの設定は、あくまで準備です。

 

自分なりに100%準備したからこそ、

勝負に臨めます。

 

 

逆に、カメラの設定やメンテナンスを

なおざりにしたまま撮影に臨むというのは、

 

ヒゲも剃らず、シャワーも浴びず、

脱ぎ捨ててあったしわくちゃのジャケットを着て

合コンに行くようなものです。

 

それでは、

千載一遇のチャンスをモノにできません。

 

 

息を殺してサメを待ち

できるだけ近くまで引きつけ

しなやかな筋肉が躍動する瞬間にシャッターを切る…

 

そんなファインダー越しの

駆け引きを楽しむためにも、

カメラの設定については自分なりに

考えておくといいかなと思います。

 

それでは、今日もここまで

読んで下さりありがとうございました。

 

少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです!

 

 

 

ps.

 

 

サメを待っていると、

色々な珍客が登場して楽しませてくれます。

 

あまり深追いするべきではないのですが…

 

f14 1/250秒 ISO640

 

 

マダラトビエイも登場しました。

 

僕に全く気付いていない様子だったので

息を殺して待っていたのですが…

 

f14 1/250秒 ISO400

 

 

気づかれてしまいました。笑

 

「そんなにビックリしなくても!」

 

というくらい露骨に驚いた瞬間です。

 

ビクッと動いたので、

さすがに少しブレてしまいましたが、

これはこれでご愛敬という事で…

 

 

 

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管理人 ; 上出 俊作 (水中写真家)

沖縄本島を拠点に活動している水中写真家です。

これまで、写真集の出版や写真展の開催などを通して、海の魅力を伝えるべく水中写真家として活動してきました。

撮影スタイルという程でもないですが「日常を切り取る」という事が僕にとっての大事なテーマです。

珍しい生き物を追いかけ回したりせず、水中の生き物たちとかくれんぼやにらめっこをして遊びながら、のんびりと撮影しています。

「水中写真を通して共に成長し合える仲間と出会い、一緒に豊かな人生を歩んで行きたい。」

そんな思いから生まれたのが、このブログです。

自分と真剣に向き合う事の大切さを教えてくれた水中写真に、日々感謝しています。
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