2022奄美大島ホエールスイムツアーレポート

 

こんにちは、上出です。

昨日奄美大島から沖縄に帰ってきました。

普段は面倒くさがってツアーレポートなんて書かないことが多いのですが、たまには書いてみようと思います。

 

先日、「ホエールスイムで選択すべきレンズとは?」という記事を書きました。

最近自分の中でも、クジラを撮影するときのレンズ選びが楽しいというかなんというか、ひとつのテーマのような感じになってきています。

 

僕自身、今年の奄美では3種類のレンズを使いました。

(8-15mmFisheyeと14-24㎜と35mm)

周りを見渡してみると、ゲストの皆さんは、さらに色んな焦点距離のレンズを使っていました。

(16-35mmとか20㎜とか24㎜とか28㎜とか)

 

というわけで、今日の記事ではゲストの方々の作品もお借りしながら、色んなレンズで撮影した作例を紹介しようと思います。

「ホエールスイムで選択すべきレンズとは?」の実践編みたいなイメージで読んでもらえると参考になるかもしれません。

写真多め、テキスト少なめのハイライト記事にするので、気楽に読んでくださいませ。

※ホエールスイムツアーは、奄美大島の受け入れ先であるアクアダイブコホロさんと相談の上、スタッフ・ゲスト全員のPCR検査陰性証明必須、その他感染症対策を徹底した上で開催しました。

D850  AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED    f6.3 1/500秒 ISO2200

 

では、早速内容に入っていきましょう。

ツアーは毎年4回に分けて開催しているので、それぞれの回のハイライトを中心に振り返りますね。

最後に感想をまとめようかと思います。

 

①2022/1/23-25

初日から時化で雨で、なかなか辛いスタートになりました。

運よく大島海峡内で2頭のクジラと出会えたものの、泳げず。

 

2日目は、海況が少しずつよくなり、捜索範囲も広がりました。

午前中はなかなかクジラが見つからなかったのですが…お昼頃、請島の沖でブロー。

なんとブローしたまま、ずっと水面に浮いているではありませんか。そのまま船上から観察していると、くるっと回ってお腹を空に向けたりしています。

 

人や船を嫌がるような気配もなかったので、クジラを驚かせないように気を付けながら、みんなでじっくり撮影させてもらいました。

お腹が大きな雌の個体だったので、妊娠してるのではないかという話もありましたが、実際のところはよくわかりません。一歳児なのではという意見もありました。

僕がこの時使用したレンズは、8-15mmフィッシュアイと14-24mmです。

もちろん、2台持って入ったわけじゃないですよ。何度か船上に戻る時間があったので、2台を入れ替えながら撮影しました。

 

僕のツアーの最終日は午前半日なのですが、最終日は中々泳がせてくれるクジラと出会えず、ウォッチングのみとなりました。

結果的にスイムができたのは1日だけでしたが、ゲストの皆さんの撮れ高を見ると、最高のツアーだったと言ってもいいのかなと思います。

あんなクジラとはもう一生出会えないかもなあなんて思いながら、ツアーを終えました。

 

  • 1/23 :ウォッチング(1群2頭 ペア)
  • 1/24:スイム(2群2頭 1頭+1頭)
  • 1/25:ウォッチング(3群4頭 ペア+1頭+1頭)

 

photo by umichan_diving D850  AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED

 

D850  AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED    f8 1/640秒 ISO1000

 

D850  AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED   f11 1/500秒 ISO1250

 

②2022/1/26-28

初日、出港時にはすでにクジラ情報がたくさん入っていました。情報をくださる皆さんに感謝です。

親子クジラがのんびりしているという情報をいただいたので、その場所に行ってみることに。

止まっていたらいいなあなんて思っていたら、止まっていました。

 

下で止まっているお母さんと、周りを自由に泳ぎ回る子供。

その様子をじっと眺めている、水面に浮かぶ人間たち。

朝日が全てをやさしく包み込んでいました。

 

2日目も3日目も水中でクジラを観察&撮影することができて、慌ただしく楽しい3日間でしたね。

結果的に晴れていたのは初日の午前中だけだったので、撮影としては難しい場面もありましたが、とにかくクジラが多くて賑やかなツアーとなりました。

 

  • 1/26:スイム(6群12頭 ペア+親子+ペア+ペア+ペア+ペア)
  • 1/27:スイム(5群9頭 ペア+ペア+ペア+ペア+1頭)
  • 1/28:スイム(6群9頭 1頭+1頭+3頭+ペア+1頭+1頭)

 

photo by n_tsukuda 5DmarkⅣ EF28mm F2.8 IS USM

 

D850  AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED   f11 1/500秒 ISO3200

 

③2022/1/29-31

初日、クジラは調子よく見つかるものの、なかなか泳がせてもらえず。

名瀬の方で泳げるクジラがいるとの情報をいただき、ちょっと遠くまで行ってきました。

到着した時には親子だけでしたが、途中でエスコートもついて、結果的に3頭のクジラを水中で観察できました。

 

確か前々日までは、船上には8-15㎜フィッシュアイと14-24mmを置いていただのですが、前日から14-24mmをやめて35mmに変えていました。

きっとみんながフィッシュアイで3頭ちゃんと入れてくれるだろうということで、僕は35㎜で遊ぶことに。

結果的に、面白い写真が撮れたんじゃないかと思っています。

photo by moto.san.moto 5DmarkⅣ EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM

 

D850 AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED   f5.6 1/500秒 ISO5000

 

2日目も3日目も、しっかり水中でクジラを観察&撮影できました。

この3日間もなかなか晴れず、みんなで「光が欲しいよねー」なんて話していたのですが…最終日の朝一瞬だけ晴れました。

そんな一瞬をものにした人はさすがですね。僕はその時、何をしていたのでしょうか。寝てたんですかね。

色々なシチュエーションでクジラを撮影できた3日間でした。

 

  • 1/29:スイム(4群8頭 3頭+1頭シンガー+親子エスコート+1頭)
  • 1/30:スイム(4群6頭 1頭+1頭+親子+ペア)
  • 1/31:スイム(2群3頭 ペア+1頭)

 

photo by kaorik_2_6 D850  AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED

 

D850 AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED   f5.6 1/640秒 ISO4000

 

④2022/2/1-3

初日の午前中、大島海峡内で早速親子エスコートを見つけるも、なかなか泳げず。

そうこうしているうちに、名瀬の方からいい感じのクジラがいるとの情報が。

いい感じというか、それはもうめちゃくちゃにいい感じという話だったので、急いで行ってみることに。

 

なんと、1/24に出会ったクジラと再会することができました。一週間前と同じ様子で、水面に浮いていました。

お天気も海況も良かったこともあり、皆さん色んなアイデアで写真を撮っていましたね。

後でみんなの写真を見て、「こんな写真撮ってたのかー!」と、度肝を抜かれました。

 

「あんなクジラに出会えることは二度とないだろう」と思っていたのに、一週間で再会できてしまって、さすがに震えましたね。

この後帳尻合わせで何か悪いことが起こるんじゃないかという気がして怖いです。

こんな出会いはそうそうあるものではありませんので、来年のツアーに参加してくださる皆さん、期待しないでくださいね…

 

2日目は、クジラは見つかるものの中々泳げず。最後になんとか泳げて一安心という感じです。

透明度が悪すぎて僕は何も撮れませんでしたが、しっかり写真も動画も撮れている人もいました。

僕ももっとシャッターを強く押せばよかったですね。そういう問題じゃないか。

 

最終日は雨風強く中止にしましたが、ツアーとしては大成功だったと思います。

 

  • 2/1:スイム(6群9頭 親子エスコート+1頭+1頭+1頭+1頭+親子)
  • 2/2:スイム(5群12頭 3頭+ペア+1頭+親子エスコート+親子エスコート)
  • 2/3:荒天のため欠航

 

photo by kawasaki_maichi D850  AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED

 

photo by tkytora α7Ⅲ  Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS

 

D850  AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED    f9 1/640秒 ISO320

 

D850 AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED   f8 1/640秒 ISO250

 

まとめ

 

まとめというか、全体を通しての感想を書いて終わろうと思います。

まず、今年は「クジラが多いな」と感じました。もちろんクジラ探しに苦労した時間もあったのですが、全体を通して振り返ってみると、感覚的にはかなり多かったです。

クジラを見つけて観察して、エントリーしようと思ったらあっちでもブロー、さらにあっちでもブロー、ということが何度もありました。

 

ちゃんと数字を集計したわけではないので細かいことはわかりませんが、1月後半の奄美大島はクジラが多いのかもしれませんね。

もちろん、今年だけかもしれませんし、北半球全体でザトウクジラが増えてきているだけなのかもしれないのですが。

ここから2月3月と、もっと増えていく可能性もありますしね。

 

今年のツアーは、1回目と4回目に遭遇したスペシャルなクジラのおかげでお祭り感もありましたが、それを差し引いても、みんながクジラをじっくり撮影するチャンスがありました。

改善すべきところもありますが、いいツアーになったんじゃないかなと、自分なりには思っています。

 

奄美大島でホエールスイムツアーを開催するようになって今年で5年目ですが、幸運なこととに、これまでにご参加いただいた全ての方が水中でクジラと出会えています。

これはもちろん、アクアダイブコホロの皆さんの経験&頑張りと現地の方々の協力のおかげですし、ルールやマナーを守って参加してくれているゲストの皆さんと、ツアーをサポートしてくれているダイブジャーニーの協力があってこそ成り立っています。

力を貸してくださっている皆さん、いつも本当にありがとうございます。

 

今年はこれまで以上に、クジラを追いかけない、向かっていかない、並走しないということを徹底してホエールスイムツアーを開催しました。

止まっているクジラが動き始めたら、僕たちは絶対に動かないように、しつこいくらいに皆さんにお願いしました(逃げる必要がある時は別として)。

 

どうすればクジラへのストレスを最小限に留めつつ、みんなが気持ちよく撮影できるか、日々悩みながらツアーを開催しています。

まだまだ勉強が必要ですが、少しずついい方向に向かっていけてるのではないかという実感を得られたことが、個人的には今年の大きな収穫です。

 

来年も奄美大島でホエールスイムツアーを開催できることを楽しみにしています。

最後に、この記事のために大切な作品を貸してくださった皆さん、どうもありがとうございました。

写真を掲載できなかった方、ごめんなさい。

 

こんなことを書くといい人ぶってるみたいであれですが、ツアーに参加してくれた方のクジラの写真を見るのが大好きです。そして、写真のクオリティがどんどん上がっていることが本当に嬉しいです。

はっきり言って、僕だけが撮れててゲストのみんなが撮れてないとかめっちゃ嫌ですし、それならツアーにする意味がないと思っています。

そういう意味でも、こうしてみんなの写真を紹介しながら記事を書けることを、幸せに感じています。

 

これからあと2ヶ月、奄美大島でホエールスイムに取り組む方々に、素敵な出会いが訪れることを願っています。

今日もここまで読んでくださりありがとうございました。

少しでも参考になれば嬉しいです!

 

D850  AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED    f9 1/640秒 ISO220