ストロボの「位置・角度・強さ」を考える ~水中マクロ編~

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こんにちは、上出です。

 

4月下旬からGWにかけて、

マクロリクエストのフォトセミナー

3件開催させていただきました。

 

続けて開催してみて、

ひとつ気づいたことがあります。

 

 

それは、

 

「みんなストロボの使い方に悩んでいる」

 

という事です。

 

 

考えてみれば、

 

フォトセミナーの中で

ストロボに関するアドバイスをしなかった

 

という事は今まで一度もありません。

 

 

程度の差はあるにしろ、

 

ストロボの使い方、今のままで良いのかな…

 

という思いは、

誰もが抱いているのではないでしょうか?

 

いまだに僕も試行錯誤することが多いですし、

なかなか答えの出ない深いテーマです。

 

 

ここでワイドまで一緒に触れてしまうと

長くなりすぎてしまうので、

 

今日はマクロ撮影にフォーカスして、

ストロボの位置、角度、強さについて、

僕の経験を元に解説していきます。

 

(D850 + Nikkor AF-S 105mm Micro + Z-240   f5.6 1/250秒 ISO100)

 

 

 

具体的な話に入る前に、

少しだけ前提をお話します。

 

 

ライティングに、正解はありません。

 

 

写真家によって考え方や作風が違いますし、

同じ写真家でも、その時の目的や気分?で

ライティングの方向性を変える事もあります。

 

 

僕の場合は、

水中マクロに関しては、

 

水中生物を可愛く優しく撮ろう

 

という気持ちが、

潜在的にあります。

 

ですので、陰影をつけて

迫力や渋さを演出するような撮り方は、

基本的にしません。

 

 

被写体の色や質感を引き出しつつ、

影を消して柔らかい雰囲気に仕上げる

 

というのが、僕にとっての、

マクロ撮影におけるライティングの

ひとつのゴールです。

 

 

もちろん、僕とは違うゴールを

持っている方もいるでしょう。

 

ここから先は、そのあたりを踏まえて

読んでいただけたらと思います。

 

※記事の中では2灯を例に解説しますが、

1灯でも基本的な考え方は同じなので、

ご自身の状況に合わせてお役立てください。

 

(D850 + Nikkor AF-S 105mm Micro + Z-240   f9 1/160秒 ISO100)

 

 

 

◆位置◆

 

 

ストロボの光が強く当たり過ぎて、

不自然な写真になってしまうんです…

 

という相談をよく受けます。

 

 

こんな時、細かい事を考える前に

ストロボの位置を調整してあげると、

 

意外とすんなり

この問題を解決できたりします。

 

 

というのも、

 

ストロボが被写体に近すぎる人が多い

 

という事に、最近気が付きました。

 

 

理論的には、

TTLなら被写体に近ければ近い分

弱く発光してくれるはずですが、

(TTLの解説はINONのHPをご参照ください。)

 

 

どんなに弱く発光しても

被写体に劇近で絞り開放付近だったら白飛びするでしょうし、

そもそもTTLの精度も100%じゃありません。

 

 

よく拝見するセッティング例は、

こんな感じです↓

 

 

僕は基本的に、こんな感じです↓

 

 

被写体からストロボを離してあげると、

光の当たり方が柔らかくなります。

(TTLだと、理論上離した分強く発光するはずですが…)

 

 

それから、セットする高さも重要です。

 

こんな感じの方をよく見かけます↓

 

これがいけない、というわけではないです。

 

このままでいい感じに

ライティングできるケースもたくさんあります。

 

 

でも、僕の基本セットはこうです↓

 

 

ポートよりも少し上に取り付けています。

 

なぜかと言うと、

 

下から煽って生き物を撮影した時に、

岩などの障害物にストロボ光が当たってしまい、

被写体に十分な光が当たらない、

 

という事態を避けるためです。

 

とは言っても、

基本的にストロボの位置はその都度調整するものですし、

あくまで基本のセッティングがこうだというだけです。

 

 

岩の位置によってはこうすることもありますし↓

 

珊瑚の中にいるダルマハゼを撮るならこうしますし↓

 

砂地にいるウミウシを撮るなら、

けっこうアバウトでも何とかなっちゃいます。

 

(D850 + Nikkor AF-S 105mm Micro + Z-240   f6.3 1/160秒 ISO160)

 

 

ちなみに、クローズアップレンズを

使用する際は少し勝手が異なります。

 

レンズが少し伸びる事になりますし、

しかも被写体に寄れるようになるので、

 

ストロボが後ろの方にあると、

光がクローズアップレンズに遮られて

被写体まで届かないことがあるんですね。

 

なので、こんな感じが基本になります↓

 

 

マクロ撮影時において

ストロボの位置を考えるポイントは、

 

障害物に遮られずに被写体にしっかり光を回す事

 

 

被写体から少し離して優しく光を当ててあげる事

 

ですね。

 

(D850 + Nikkor AF-S 105mm Micro + Z-240   f4.5 1/250秒 ISO100)

 

 

 

◆角度◆

 

 

角度は、被写体に向けるだけです。

 

特に工夫もひねりもありません。

 

 

でも水中だと、

 

ストロボが本当に被写体を向いているのか?

 

が案外わからなかったりします。

 

というか、向いているつもりで、

向いていなかったりします。

 

 

毎回確認してね!

 

としか言えないのですが、

それではあまりに不親切なので、

確認の仕方だけお伝えしましょう。

 

 

YS-D2やD-2000など、

ターゲットライトの付いているストロボの場合は、

 

ずっとつけっぱなしにする必要はないので、

向きを合わせる時だけでもターゲットライトを付けて、

ライトの光が被写体に当たっているか確認してください。

 

ターゲットライトの方がストロボよりも照射角が狭いので、

ライトが当たっていればストロボ光も確実に当たります。

 

 

ターゲットライトのないストロボの場合は、

この方法が使えません…どうしましょう。

 

ごめんなさい、良い方法が思いつきません。笑

 

 

ただ、ストロボの位置や角度って、

自分では適正かどうかわかりづらいですが、

 

近くで見ている別の人には、ストロボ光が

当たっているかいないかがよくわかります。

 

なので、ガイドさんかバディに、

 

「もしストロボが変な方向いてたら教えてね(^-^)」

 

と事前に伝えておくのが、

実は一番効果的なのかもしれません…

 

(D850 + Nikkor AF-S 105mm Micro + Z-240   f5.6 1/200秒 ISO160)

 

 

 

◆強さ◆

 

 

「強さ」にももちろん正解はないのですが、

 

・ストロボと被写体が近すぎたり遠すぎたりしない

・ストロボが被写体に向いていて間に遮るものがない

 

という状況で、

 

「被写体の色がくすんでいて、青(緑)被りしている」

 

ということは、

ストロボの発光が弱すぎるということですし、

 

「被写体が白飛びしている」

 

ということは、

ストロボの発光が強すぎるということです。

 

(晴れた日の浅場で白飛びするケース等は、

ISO感度を下げたりSSを上げたりする必要もあります。)

 

 

なので、これを強すぎず弱すぎず、

いい塩梅にしてあげないといけません。

 

最初にお伝えした通り、

人によって目指すところは違いますが、

僕にとっては

 

被写体の色が被らず発色していて

白飛びも黒潰れも影もない

 

というのがひとつのゴールになっています。

 

左右対称に光を当ててあげると

基本的には影を消すことができるので、

僕は左右の発光量は同じにする事が多いです。

 

(D850 + 105mm Micro +UCL-90 + Z-240   f11 1/250秒 ISO100)

 

 

ではどのように

光量をコントロールするのでしょうか?

 

 

きました。

 

 

みんな嫌いなTTLとマニュアルの話です。笑

 

 

細かい仕組みは先ほど紹介した

INONのHPをご覧いただければと思いますが、

 

TTLは自分で多少の調整ができるオート

 

だと思ってください。

 

TTLなら、何も考えなくても

ある程度適正露出にまとめてくれます。

 

 

TTLを使っているのに、

明らかに露出がおかしいという時は、

 

・ストロボがそもそも当たってない

・ストロボが被写体に近すぎる

・TTLコンバーターの不具合

 

など、他の理由を考えましょう。

 

ちなみに、上に挙げた3つのケースは、

フォトセミナー中にも良く遭遇します。

 

 

それから、

これはTTLに限った話ではありませんが、

 

カメラとコンバーターとストロボの相性

 

というのもあります。

 

話がごちゃごちゃするのでざっくり言いますが、

 

例えば僕の使っている

NikonD850+アンティス製ハウジング

という組み合わせでは、

 

YS-D2は正常に動かないけどZ-240なら動きます。

 

(元々アンティスのD850用ハウジングが

マニュアル発光のみに対応した仕様なので

TTLはどちらのストロボでも使えません。)

 

 

こんな感じで、

特にコンバーターを介するシステムの場合、

 

メーカーに関わらず不具合が起こりやすい

 

というのが僕の印象です。

 

もっと言えば、

 

内蔵フラッシュが無いカメラにコンバーターをつけて

光接続で外付けストロボをTTL発光させるのって

現実的にはちょっと無理があるのでは?

 

というのは…

 

僕の独り言です。

 

 

 

少し脱線しました。

 

 

 

特にトラブルがなければ

TTLでざっくりの適正露出が得られます。

 

そこから多少の光量調整もできるので、

自分なりの表現を追い求める事もある程度できます。

 

 

でも、

他の記事でも書いていますが、

僕はマニュアルしか使いません。

 

別に玄人ぶりたいわけではなくて、

 

僕にとってはマニュアルの方が、

思い通りの光量に持っていけるまでの時間が

TTLに比べて速いからです。

 

これって「思い通りの光量」というのを、

どのレベルで求めるかにもよると思います。

 

 

「TTLで十分作品づくりができる」

 

と思えばTTLで良いと思いますし、

 

「結局マニュアルの方が速いし正確」

 

と思えばマニュアルを極めれば良いです。

 

 

限られた時間・環境の中で何を優先するのか、

自分のカメラとストロボの相性・性能はどうか、

ライティングにこだわる余裕があるのか、

 

などなど、

色々判断基準はありますよね。

 

 

ちなみに、フォトセミナーに

来てくださる方の80%以上はTTLです。

 

僕も初めてS-2000を買ったときには、

S-TTLでしばらく使っていました。

 

 

ライティング以外の部分に課題が多ければ、

TTLとかマニュアルとかそんな話はそもそもしませんが、

 

ライティングを重点的に学びたいor学ぶべき

 

という方の場合は、できるだけ一度

マニュアルも使ってもらっています。

 

 

結果的には

 

「マニュアルの方がシンプルでわかりやすい」

 

という結論にたどり着く方が多いです。

 

 

でも考えてみれば、

僕のフォトセミナーに来てくださる方は、

みんな僕のブログを読んでくれています。

 

そして僕は何度もブログの中で、

「ストロボはマニュアル発光しか使いません」

と宣言しています。

 

なので、みんな僕を怒らせないように、

 

「やっぱりマニュアルの方が良いですねー(^^)」

 

と言ってくれてるのかもしれません。

 

地元に帰ったら、

TTLで撮っているのかもしれません。笑

 

(D850 + Nikkor AF-S 105mm Micro + Z-240   f5.6 1/250秒 ISO100)

 

 

冗談はさておき、

GW中のフォトセミナーにお越しいただいた

Uさんから感想と抱負が届きましたので、

最後に紹介して今回の記事を締めたいと思います。

 

Uさんの撮影機材は、

オリンパスE-PL7+30㎜マクロ+YS-D1です。

 

他の事は全てご自身で書いて下さったので、

早速本文をどうぞ↓笑

 

今回のセミナーの目的は

ピントはどーしたら合わせられるのか?

 

ストロボでふんわり撮りたい、

ゆっくり被写体に向き合いたい、

何よりも技術を向上したい

の思いで参加しました

 

まずは大好きなナカモトイロワケハゼをリクエスト

最初は大口瓶から瓶の中を狙う

せっかちな私はジッとしてくれないコを待って撮ろうとしきれない…(笑)

動きを予想して待つ!

知っているけど出来ない性格だなと実感しました

 

最大の難関のピントはやはり中々合わない

でも、上出さんからの神のお言葉

「自分でも何枚かに1枚しか合いませんよ」

とにかく撮るしかないと

心にじんわり染み渡りました

 

和らいだ心で向かうが、中々合わせられない(汗)

カメラの性能のせいにしたいが、上出先生が撮ると合うという…ふぅ

やっぱり数撃ち当たれ!でわずかばかりはピント合いました

ナカモトさんに30分も撮影出来るという素晴らしいポイント

今回は3本も行けて、私だけのナカモトさんをゆっくり撮影出来ました

 

瓶にシマヒメヤマノカミの珍客がいるタイミングで

この子もかわゆく撮ってみました

ナカモトボケは出来ませんでしたが、

透き通るこの子のイメージが上手く表現できたかもと自画自賛(笑)

少ししか撮っていませんが、とても好きな1枚が撮れました

 

さて、ストロボについて

まずストロボで撮るとパキパキの男らしいものになる

とばかり思っていたものをマニュアル操作で

光量の調整にて思い通りにいくことが判明

 

その前に1灯でのライティングの

向きから間違っていることを教えられる

そしたらその場所にライトを付けているので

ライトは外しストロボ一本勝負となった

 

1本目はTTLで撮ってみて、

2本目からはマニュアルに切り替え、

やり方さえ分かれば出来るもんだ

 

やり方を教えてくれる人が居ないので、分からないのだ

 

角度も2日のセミナーで少しは分かったと思う

だが、いつか2灯にバージョンアップしたいな

設備投資の問題あります…ふぅ

 

今回レンズは30mmマクロ

ハゼには厳しいサイズなので、逃がしてしまう

やはり動かないウミウシ専用だなと実感

そもそも動くものは撮れないので嫌いで、

動かないもの狙いで満足していた私

本当は動くものでも好きな子は全部撮りたい!!

ここでも設備投資の問題あり(汗)

 

大好きな被写体ウミウシとの向き合い方

動くウミウシの向きを考えて自分も動く

時にはウミウシが良いとこに行くまで待つ

そして、上から撮らない

体制がきついだろうが下から仰ぐ

キツイ体制ほど良いものが撮れる

第一に正面からこんにちは構図を今後は基本にしてみたい

 

そうだ!

 

ナカモトさんを撮ったもので

ポニョみたいな構図の写真がとても気に入ったのだ

ピントが合ってないので残念だけど・・・

好きな被写体の可愛さを最大に魅せられるように今後は意識しよう!

 

カメラ問題、ピント問題、ストロボ問題、コンタクト問題(苦笑)

今後も悩むことがあると思いますが、

いろんなことにチャレンジしてみたいと思います

そして行き詰まった時にはまたセミナーを受講することにしましょう♪

 

編集について

LihgtroomのPC版を使ってやる予定ですので、

使ってみないとわからない点もでてくると思います

陸の写真でも編集を意識して、今後の作品作りをしてみます

 

今回のセミナーでとても重要なポイントはほぼ解決できました

あとは実力次第(笑)

セミナーに申込みをして本当に良かったと思います

ありがとうございました♪ 今後もよろしくお願いします

また飲みましょうね!!

 

 

Uさん、心のこもったコメントありがとうございました!

 

大事なポイントが多すぎるので、

ひとつひとつは触れませんが…

 

一番思い出深かったのは、

居酒屋で隣の席のお客さんと仲良くなって

翌日遊びに行ったエピソードではないでしょうか?

 

沖縄らしいですよね。笑

 

それでは、今日もここまで

読んでくださりありがとうございました!

 

少しでも参考になれば嬉しいです。

 

 

 

◆2018年も引き続き、

プライベートフォトセミナーを開催します。

8月までのご予約がほぼ埋まってしまいました。

(どうしてもという方はご相談ください。)

9月以降なら、まだ余裕をもって日程調整できそうです。

 

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管理人 : 上出 俊作 (水中写真家)

沖縄本島を拠点に活動している水中写真家です。

これまで、写真集の出版や写真展の開催などを通して、海の魅力を伝えるべく水中写真家として活動してきました。

撮影スタイルという程でもないですが「日常を切り取る」という事が僕にとっての大事なテーマです。

珍しい生き物を追いかけ回したりせず、水中の生き物たちとかくれんぼやにらめっこをして遊びながら、のんびりと撮影しています。

「水中写真を通して共に成長し合える仲間と出会い、一緒に豊かな人生を歩んで行きたい。」

そんな思いから生まれたのが、このブログです。

自分と真剣に向き合う事の大切さを教えてくれた水中写真に、日々感謝しています。
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資格・所属

PADI Instructor (OWSI #827547)
PADI Digital Underwater Photographer Instructor
PADI Enriched Air Specialty Instructor
潜水士
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